KA・I・GI
■■■〜〜〜会議室〜〜〜■■■
オレと社長がそれぞれに連絡を入れ、僅か十数分後──会議室には、見知った顔が勢揃いしていた。
まぁ、軽く席順を説明するなら……
(ホワイトボード)
(オレ)(変態)
(社長)机(佐藤)
(久遠)机(鈴木)
(佐藤)机(大平)
(田中)机(上野)
(以下、隠密部メンバー)
↑、こんな感じだ。
田中にはオレが連絡した。大平は何で居るの?
あと……申し訳無いのだが──上野?
いや、勘違いしないでほしいのだが……見覚えはあるんだ。あるんだが……キミ、そんな名前だったっけ?
──それと変態、オレの足元に擦り寄ってゴロゴロハァハァしないでくれるか? 歩きにくい!!!
一先ず、擦り寄る変態をスルーし、
マイク片手に皆の衆へと向き直る。
「えーと……本日はお集まりいただきありがとうございます。それではこれより久保対策会議を始め──」
「──いや待ちたまえよ!? なぜ此処に綾達が居るんだ!?? それと、キミはいったい誰だね!?」
と、挨拶の途中で、遂に我慢が限界を迎えたのか……パピーのツッコミが炸裂するのだが、
似た事を前前回やったので、今回はサクッと──
「──如月です。今はワケあって幼児化してます」
「綾ちゃん達が居るのは呼んだからですね。はい、他に質問がある方は挙手! 無いですね、よし!!!」
「いやよく無いが!? 何で他の者達は皆この状況を受け入れているんだね!?? おかしいだろう!?」
いや、おかしいって言われても……
「「──だって境夜たん/先生だし?」」
「そういう事もあるかな? って……」
「そうっス! 現実なチーターに常識なんて通用しないっすよ!」
「如月なら幼児化くらいするって! な?」
「そうだよ佐藤さん。諦めよう? ツッコむより受け入れた方が楽さ! で、仕事は何処かな?」
……らしいですよ、パピー???
あと、大平はホントにどうした?
もしや、オレが文化祭で言っちゃった事をまだ気にしてるのか? 精神崩壊でもしたんか、『神』???
「──おかしいだろ…………?」
「諦めなさい。今更、如月に常識を問いたところで意味なんて無いのよ……佐藤」
「社長──そうか。いや、会話をぶった斬ってしまってすまない。如月くん、続けてくれ」
諦めたように遠い目をして告げるパピー。
──ん〜〜〜? 何か、どうしようも無い常識外だって暗に言われた気がしたのだが???
気の所為か……?
ま、エエわ! 話しを続けろとの事なので、ご要望通り話しを続けさせてもらおうか!!!
「では、これより久保対策会議を始めたいと思いますがその前に──全員、スマホを出して下さい」
「「「「「「「「──え?」」」」」」」」
途端に──皆様、何故か疑い一辺倒な様子でオレを見るので……。
「…………エエから! 悪い様にはせんからサッサと出しなはれ!!! 変態、やれ!」
『なぅ! ふなぁ〜ご♡』
(訳:はい! ご主人様♡)
「──え、ちょっ!?」
「な!? スマホが浮いた!!?」
「もう何でも有りね、如月……」
悪いが、悪魔powerで強引に提出してもらう。
「久遠、頼んどいたモノは持って来てくれたか?」
「ぇ、あ、はい! でもコレ、何なんすか先生?」
悪魔powerによりフワフワ浮かぶスマホの群れを避けながら、久遠は自身の腕に巻いていたブレスレットを外し、渡してくる。
まぁ、正確にはガワだけブレスレットに見せかけた小型端末だけどなソレ!
オレと技術部とドワーフ共同制作のブツだ。
いやぁ、夏の一件からもしもの時の為に用意しておいてホントに良かった。ナイスだオレ!
……制作費用にオレがリアルで吐血し、
無理やり捕r──快く白目を剥きながらも協力してくれた技術部達とドワーフの努力が今、報われる!
「ぬっふっふ……コレにはな、アプリのアップデート用データとその他諸々が入っているのだよ。久遠くん」
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「──ん〜? やっぱりおかしいなぁ……?」
『? どうしたのだ、主よ???』
スマホやタブレットを弄りながら、久保は呟く。
…………ふむ、嫌な予感がするな。
側に置かれたフルーツの盛り合わせに手を伸ばしながら、聞き耳を立てる。
「先輩のアプリデータ。モンスターの数が少な過ぎる様な気がするんだよね……」
──ギクリ。
まぁ、裏口を仕掛けてアプリを乗っ取ったのならバレるか。
主、急いだ方が良いかもしれんぞ……だが、助けるのはなるべく遅くで頼む!
『…………売ったのでは無いか?』
ジト目で此方を見るバアル。
いや、此方を見られてもな。大体、アレはお前が悪いだろ。主だって嫌がってたし?
「それを加味してもだよ。アプリそのものなら兎も角……モンスターには入手方法がある。強いモンスターを最初にある程度購入すれば、後は自力でどうにかなる。それなのにこの数は──」
『──異常か……』
チラリと此方を見てくるが、ボクは何も知りません。と、顔を逸らしておこう。
……主ならそうするだろうしな!
「先輩、ちょっとお話しよっか?」
『元主よ、隠している事があるのなら素直に喋った方が早く楽になれるぞ?』
「──:(;゛゜'ω゜'):」
ふむ、どうやら選択をミスったらしいな。
主……なるべく早く助けに来てくれ!!!
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