技術室へ
■■■同日/廊下■■■
──技術室へ至る道の最中、思う。
おかしくね……? と。
わざわざチームに分かれてまでスピード解決を期待してたのに、何故、オレは3箇所全てに行かされるんだ?
『──ソレデハ、今回ノオ客様ヲ紹介シマス!
悩メル恋ノ漂流者、百鬼 千尋サンデス!!!』
『どうも……』
『千尋サンハ大キナゲーム会社ノ社長ヲサレテイラッシャルトカ……?』
『えぇ。してるわよ』
校内のスピーカーからは──怒られたくないので伏せるが──●●の部屋風な音声が流れてくる。
…………いや、何してんの社長???
貴様、何故働いていない? そんな所でダラダラとくっ喋べってる時間があるとでも思っているのか?
「──うおッ!? なにあの娘、めっちゃレベル高くね!!? か〜のじょ、オレとお茶しない?」
「おまッ! 馬鹿野郎、いきなりお前みたいのが話し掛けたら怖がらせちゃうだろ!!?」
「ごめんね君ぃ、お詫びに其処の売店で何でも好きな物買ってあげるからさ、お兄さん達と一緒に行こ?」
チッ!!!!!
「──黙れモブs。社会的に抹殺されたくなければ大人しく家に帰ってママンのパイパイでも吸ってな」
「ぁ"!?」
「はぁ!??」
「んだとゴラァッ!?」
はぁ──オレは、いま、機嫌が悪いんだ!
「あ"? 聴こえなかったのか??? 頭のみならず耳まで悪いのか? サッサとそこ退け発情期の猿共が」
■■■同日/技術室前■■■
道中──お盛んな三馬鹿に現実を教え、授業料としてお使いをお願いしていたので遅くなったが、
……漸く辿り着いたぞ。
『Q:美形ハ好キ?』
『──寧ろ嫌いな人間なんて居るの?』
『Q:狡賢イ人間ハ好キ?』
『まぁ、お人好し過ぎて馬鹿を見るよりは……狡賢い方が良いんじゃないかしら? お互いの為にも』
『Q:相手ハ歳下ノ方ガ良イ?』
『うーん……そこは特に拘って無いわね。恋は盲目なのよ。歳が下でも上でも、愛さえあれば関係無いわ』
………………まだ、やっとったんかいワレ(怒)
『成程、ソンナ貴女ノ運命ノ相手ハ──』
すぅぅぅッ……と、息を大きく吸い、勢い良くドアを開ける!!!
『──如月 境夜サンデスッッッ!!!!!』
「──何やっとんじゃこの****がッ……え?」
「「「ぅ──嘘よぉおおおおおッッッ!!!!!」」」
うるさッッッ!?!!?
あと放送禁止用語を怒鳴りながらドアを開けたら、何かトンデモ無い事を言われたんだが……!?
そして──その後の社長の悲鳴……
……何これ? どういう状況???
「あ、先生!!!」
「え……? アンタ、どうして──???」
オレに気付いた久遠と綾ちゃんが駆け寄って来るが、マジで意味が理解らん。あとキメラは?
『──此処に…………』
と、へ……?
おまッ、そんなやつれてたっけ!? 分かれる前と後で衝撃のビフォーアフター過ぎんか???
『……はぁ、色々とありまして…………』
光を失った目で、薄ら笑いを浮かべながらキメラが言ってくる。
──お前、本当にどうした!?
あまりに意味不明過ぎる現状を少しでも打開しようと、周囲を見回す。
乱雑に置かれた機器、床に散らばる書類、縄で簀巻きにされた科学部、天井を見上げ絶叫している社長……
………………………………ん?????
あれ? 科学部、居るじゃん???
しかも捕まえてるし──ぇ?
「ごめん……ホントにこれ、どういう状況???」
■■■一方そのころ……■■■
「──何なんだお前達は!? どうしてさっきから追ってくるんだ!!?」
「すまねぇ、アンタに恨みは無いが……」
「見た目だけは女神みてぇな超絶腹黒メイドさんに脅されていてな……」
「オレ達の今後の為にも、生贄になってくれや……」
「──いや全く意味が理解らないんだがッ!?? しまッ……アッーーーーーーーーーーッッッ!」
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