………マジで言ってます?
■■■同日/保健室■■■
………………。
「おーい! 急患連れて来たぜーーーッ!!!」
「──はいご苦労さん、頭重症が一人っと! 先生、アレどうしましょっか?」
「ん? あー、適当にポ●リでも与えておいて。そしたら勝手に満足して帰るから」
「──違っげーよ!? 今回はズルとかサボりとかの仮病じゃなくてマジなんだって!!! ほら!」
「( ˙-˙ )」
「確かに今思えば大人としてどうなんだ……世界征服とか子どもじゃあるまいし──(以下略)」
「「「_(´ཀ`」 ∠)」」」
「──うわ……え、なに? 何があったのコレ?」
「つーか如月はまた来たのかよ……どした? 何でそんな虚無ってんだ、お前???」
…………あ? 何で? 何でだと!?
「──ねぇん、だよ」
「へ? ごめん、何て???」
「あのデータをどう活かせば良いのかまっっったく理解んねぇんだよッ!!! 好物? 肥料??? 水やりの適切な時間帯????? オレが、知りたかったのは、そうじゃ無ぇんだわ! もっとこう、アレコレしたソレなんだよ!!? オレはマンドラゴラのブリーダーになりたいワケじゃねぇ!!!!! 品評会をやりたいだぁ!? 知らんわそんなモン勝手にやれぇえ!!!」
「──あぶなっ!? コイツ錯乱してやがる!」
「金を私の財布から出して早く! 手の空いてる子は患者を取り押さえるのを手伝って!!!」
「田中! お前も手伝え!!!」
「ぇえッ!?」
「先生! 幾ら出せば良いですか!!?」
「くッ! 患者のこの興奮度合い……千円札や五千円札ではかえって興奮させてしまう、ならば!」
「──フーーーッ! フゥーーーーーッッッ!!! グルァアーーーーーーーーッッッッッ!!!!!」
◆◆◆くらえッ──!!!!!◆◆◆
む……この感触、触れられているだけで身体の全細胞が歓喜している。そして鼻先を擽るこの香ばしい香りは──Σ(°ω° )はっ!?!!?
「──一万円札の特殊インク香り!!! …………あれ? オレは、いったい何を???」
それに此処は……保健室?
何で、保健室に──と、いうか……何で此処、こんなに荒れているんだ? 世紀末かよw
「お、正気に戻ったか、俗物?」
「取り敢えず、何があったのか説明してもらえる?」
「おい田中しっかりしろ! くそ……ダメだ、完全に気ぃ失ってやがる…………」
──ん? いまオレ、いきなり罵倒されなかった? 気の所為かな???
というか、説明?
……してほしいのは、オレの方なのですが???
つーか、何で田中は傷だらけで気絶してるんだ?
「? 此処で何があったかは知りませんが、オレが憶えている事なら……かくかくしかじか」
と、憶えている範囲内で説明する。
「なるほど。つまり、この人は心に重傷を負ったと?」
「コイツらは植物に襲われて気絶したのか……でも、なんかヌルヌルするんだが? マジで襲われただけ?」
「……はい。ただ、田中が何で気絶してるのかは分かりません。何かあったんですか?」
そう問うが……おい。なぜ全員目を逸らす?
あと、何でオレは顔面に一万円札を押し付けられてんの? なに、くれるの???
「はぁ〜〜〜、取り敢えず事情は概ね理解したわ。貴方は教頭の所に報告に行きなさい」
特大の溜息と共に、シッシッと保健室から出て行けと暗に言われるが……
「いやオレは何も理解出来て無いんですけど!?」
と、食い下がる。せめてその一万ぷりーず!
「はいはい、俗物くんは教頭のトコに行こうね〜!」
「この人達は私達が責任を持って預かるからね〜」
……そう言われて、結局一人──部屋から追い出されてしまった。解せぬ………………!
■■■同日/生徒指導室■■■
「──と、いうワケで大平と田中はメンタル重傷と意識不明で保健室です。見舞金ください」
「そうか……温室でそんな事が。ご苦労だったね、ほら煎餅をあげよう」
と、見舞金を貰ったのでお茶を(勝手に)拝借し、味わう。あー、お高い味がするわ。
「それはそうと教頭……一つ訊いても良いっすか?」
周囲を見て、嫌な予感をヒシヒシと感じながらもそう問い掛ける。
「ふぅ──何だね?」
「技術室に行ってた連中は何処ですか? もうヒナちゃん先輩を捕まえに──」
──ピンポンパンポーーーン!!!
『此方、当校ノ高知能AIデス☆
放送ノハックヲ無事、確認シマシタ!』
スピーカーより、無機質な声が流れる。
「──如月くん、コレがその問いの答えになるだろう。さ、では技術室に援軍に行ってもらえるかな☆」
「………………マジで言ってます?」
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