科学実験室は嫌だ
■■■同日/RO・U・KA■■■
──やぁ皆! ケチャップを飲もうとしたら阻止された挙句、ソレをサンプルとして没収された如月だよ!
あの後輩と虫だけは許さん。
絶対に復讐してやるからな、覚えてろ! 具体的には帰ったらバル●ン焚いてやる覚悟しやがれ!!!
『おい、そろそろ代われ』
「断る! この人を運ぶのはオレの務めだ!!!」
挙句──車椅子に拘束されて連行されています。
──姫抱きよりはマシとは言え、コレはこれで酷くない? オレの意思とかは無視ですか???
しかも、コレ……何処に向かってるの?
気を失ってたから、何も知らされて無いのだが?
……ん? 何で、気を失ってたかって???
ケチャップ取られ、オレ激怒
↓
暴れ狂うオレ、綾ちゃん出動
↓
「メッ!」をイケメンオブラート数千枚で包んだ台詞を惜しげも無く言われ、オレ昇天
↓
車椅子に拘束され連行中 ←イマココ
──まぁ、上記の通りですわ。
社長や久遠、久保や田中、あと大平と教頭は何処? 居ないんですけど???
『あ、主! 目を覚まされたんですね!』
「なに!? ッ、はぁぁ〜〜〜心配したんだからな!」
──心配だったのに、オレを車椅子に縛り付けて連行してんの? 綾ちゃん、マジで言ってる???
「……え〜と、取り敢えず──説明をお願いしても?」
◆◆◆
「(`・ω・´)……かくかく」
『(`・∀・´)……しかじか』
「OK、理解した……d( ̄  ̄)」
まぁ、簡単に要約するとですね──
先ず──科学部とヒナちゃん先輩はバラバラに逃げたらしい。尚、情報は技術部提供。
で、それだけでは無く──科学部の連中も、3箇所別々に集団逃亡。
なら、オレらも先ずは3チームに分かれ……科学部を捕縛後に合流、最後にヒナちゃん先輩を捕縛しよう。
──と、いう事らしい。
仮にだが、オレらをAチームとすると……
Aチーム/オレ、キメラ、綾ちゃん
Bチーム/社長、ティアマトちゃん、久遠
Cチーム/大平、田中
と……チーム分けはそうなったらしい。
ちな、久保は喫茶の方へ行ったとの事だ。バアルがこれ以上客&問題児共の足止めは出来ないとか何とか。
「へぇ、まぁ喫茶はどうでも良いんだが……結局、オレは何処に連行されるんですかね?」
科学部の逃亡先は──科学実験室、温室、技術室の3箇所との事だが……何処よ?
ぶっちゃけ科学実験室以外なら何処でも良い。
言い方を変えるなら、科学実験室だけは嫌だ!
理由……?
逆に訊くが、ヤベェ奴らがヤベェ薬品持ち寄って実験してる部屋に進んで行きたい変態なんて居るのか?
間違い無く、敵の総本山だろ彼処。
科学実験室は嫌だ、科学実験室は嫌だッ──
『──科学実験室ですよ!』
「──科学実験室だ!」
「…………そっか……そっかぁ…………!」
神は居ない。ハッキリ理解んだね!!!
でも……うん…………薄々、理解ってた。
こういう時、大抵、オレが行く事になるって!
でもさ、ちょっとくらい希望を──持ちたかったんだ。ハハッ!!!
──おかしいな、薄々、理解ってた筈なのに……視界が、ボヤけてくるん……だッ!
■■■科学実験室前■■■
「到着いたぜ!」
『主、到着きましたよ!!!』
「──お家帰りたい……」
(そっかぁ……到着いちゃったかぁ!)
……もう悪い事は控えるし、問題行動もあまり起こさない様に慎むから──帰っても良いですか???
あったかい我が家が、オレの帰りを待ってるんです!
『じゃあ、開けますよ主!』
と、虫が元気良くOpen the door。
一つ訊きたい──なぁ虫よ、お前、意思疎通を何処に置いてきた? 教えてくれ、拾ってくるから。
『──げぷぉおおおおおおおおッッッ!!!!!』
「キメラくん、ドア……閉めよっか」
「((((;゜Д゜)))))))」
『((((;゜Д゜)))))))』
ガラガラガラ──バンッッッ!!!!!
開かれたドアの先で、我らは見た。
めっちゃデカい粘菌生物が、雄叫びを上げ実験室内を徘徊する──その姿を。
オレは、虚空を見上げ……呟く。
「……お家に、帰っても良い…………?」
──と。
もうヤダ、マジでお家に帰りたいッッッ!!!!!
見てくれてありがとうございます!! 宜しければ是非ともブクマなどをお願いします(゜∀゜)ノシ