いただきますッッッ!!!!!
■■■同日/生徒指導室■■■
「──え? キメラが家庭科室の天井、基、図書室の床をぶち抜いた??? ほぅ…………で?」
「いや、で? じゃなくて──!」
え? なに???
オレ、もしかして……悪事がバレたんじゃ無くて、その件で呼び出されたの?
──そんな程度の事で? はぁ???
「だって教頭、床や天井を抜いちゃダメなんて言って無かったじゃないっスか。なぁ、キメラ?」
『そーだそーだ! 報・連・相を怠るからだ!!!』
「いや! 普通言わなくても理解るだろうッ!?」
──普通……普通だと? このイカれた学校に普通なんてモノがあると本気で言ってんのか、教頭は!??
今まで、問題児から何を学んで来たんだ!?
「理解ってねぇからぶち抜いたんじゃろがいッ!」
『──我、虫ぞ??? 人間基準ダメ絶対!』
「えぇ…………??? これ、私が悪いのか?」
お、チャンス来たな。
いやぁ、ゴネてみるもんだわ。今回は我々、問題児の最終兵器──法務部のお世話にならずに済みそうだ。
「──久保! 審議お願いします!!!」
「ん? 10対0で教頭が悪いよ」
『シャイ! (`∇´)a』
「──はぁ!? 何故だ!!?」
声を荒げる教頭に、久保は冷静に言葉を返す。
「この学校では、自分が少しでも『悪いかも』と認めた時点でソイツが全面的に悪いんだよ。ね? 先輩?」
「な。常識だよなぁ、久保?」
つまり、オレは何も悪くないワk──
「──え? じゃあアンタが『悪事』と言ってたヤツはどうなのよ?? アンタ、自分から認めてるじゃない」
「Σ( °д°)──確かにそうだ! それはどうなん──」
………………あ、そういえば!
「──そんな事より教頭、オレ以外の呼び出し連中遅くありません? ボイコットしたんじゃないっスか?」
「オイあからさまに話を逸らすんじゃない!」
■■■
「──理解った教頭! オレが科学部とヒナちゃんを捕まえるから、オレの悪事の件からは手を引かないか?」
「うわぁ〜……自分の為に他人を売ったわよ、コイツ」
黙らっしゃい!
しつこく追求してくる奴にはね、どうしても身代わりが必要になるのよ!!! オレは悪くねぇ!
それに──
「──オレだけがバカ正直に出て来てアホみたいじゃ無いっスか! オレだけが損するなんて許せねぇ!!!」
(アイツら、この瞬間も証拠を隠滅したりして逃げる準備をしてるかもしれないんですよ!?)
勝ち逃げなどさせるモノか!
ボイコットなど以ての外だ!!!
「逃げられると思うなよ、オレが4ぬ時は……お前らも纏めて道連れじゃいヒャッハーーーッッッ!」
(だから手遅れになる前にオレが捕まえて来ます! なので、オレの悪事の件には目を瞑ってほしいな教頭♡)
「先輩、逆だよ逆!」
『主、ダメな方が出ちゃってますよ!!?』
「──ホントにどういう教育してんの? この学校?」
「う、むぅ……マトモなのも居る筈なんだが、何で問題児の方が多いのか……マジで謎だ」
◆◆◆ふぅ……危ない所だったぜ( ´ω`)y━ ◆◆◆
「だが、まぁ──科学部と黒華さんをどうにかしなければならないし……はぁ」
目頭をモミモミしながら、教頭は息を吐く。
──ドキドキ、ドキドキ。
さぁ、どうする!? 教頭!!!
「元を言えば、校舎破壊のペナルティとして手伝わせようともしていたしな──いいだろう!」
「(`∇´)a」
『(`∇´)a』
「但し、緊急依頼の報酬は無しだ! いいな!?」
「はい…………まったく世知辛い世の中やで」
『はい──まったくですよ、主』
──まぁでも、コレであの悪事が追求ない事を思うと……うん、妥当か。
「それと、悪いのだが──貴女がたにも協力をお願いしたいのだが……良いだろうか?」
「──は? 何で私たちまで……?」
「僕は構わないよ」
「オレも構わねぇよ。その人に何かあれば、オレは自分を許せなくなる!」
「うーん、協力しても良いんスけど……先にこの身体の方を何とかしないと──」
と、各々は告げる。
その言葉を聞き、教頭は苦虫を噛み潰したような顔で……主に社長と久遠の方を見ると、口を開いた。
「その、今回の科学部と黒華さんの件だが、貴女がた二人と、如月くんの身体異常にも関わっていてね?」
そう口火を切ると、物凄く気まずそうに……教頭は話を続ける。
曰く──あの二者が共同開発した調味料がヤバい。
曰く──科学部がその作成に協力したであろうモノが悉く変異を起こしてヤバい。
曰く──これ、治るのか?
成程──スプーンやらスポイドやら言ってたもんな。
ってか、三番目ぇ!
それ、下手したら一生この身体のままって言ってんのか!? そんなの許さんよ、オレ!
──アイツら、達磨にしてでも捕獲してやる!
「あー、もしかすると……ヒナちゃん先輩が持って来たアレがそうだったのかなぁ?」
『野菜や果物も、差し入れだとか言ってたしな』
取り扱ってたケチャップやマヨネーズ然り、その差し入れられた野菜や果物然り……、
身体やら性格が激変する劇物があったって事か──大変、身に覚えがあるな〜???
だが……待ってほしい。
社長は色々と頼んでいたが、久遠が頼んだのはオムライスだけだ。と、いう事は──。
オレは服を漁り、とあるケチャップを取り出す。
このケチャップの名称……それを、ヒナちゃん先輩が面白がって付けたモノだとすれば、ワンチャン……あるのでは無かろうか?
──いや、まさかな? こんなケチャップ一つで、オレの長年の努力が報われるなんて事が……
無意識に口角が上がる。
可能性が0じゃない以上、やっぱ試さないとじゃん?
教頭がホントの事を言ってる確証だって、まだ無いワケだし……結局は誰かが、ファーストペンギンにならにゃイカンのよ。
それなら──不肖、この如月が行かせてもらおうじゃあないか!
すーはー、と深呼吸し、
キャップを外し──スタンバイOK!!!
では──
「──いただきますッッッ!!!!!」
見てくれてありがとうございます!! 宜しければ是非ともブクマなどをお願いします(゜∀゜)ノシ