何でオレにπが?????
■■■同日/教室内■■■
(中略)
──誰か、オレを殺してくれ……!
今日ほど、切実にこう思った日は無い。
確かにオレは、人に褒められる様な生き方はしてないし……恨んでいる奴だって多いだろう!
……だが、この仕打ちはあんまりじゃ無いか!?
──寝て、起きてみたら、汚客苦サマ相手に女装姿で接客(健全)してました……だと?
もうコレ、尊厳の破壊だろ!!?
なに? オレに舌を噛み切らせたいの君ら???
「──何で!? どうして私よりもπが! πがデカいのよ!?? 課金か!? 課金すればエエんか!!?」
「ンッ! お客様、お、おやめくださ──ひゃん!」
あ"ーーーーーッッッ!!!!!
──糞が! 思っている事と実際の言葉が此処まで違うとは、腹立たしい事この上無い!!!
寝てる間に炭酸水でも盛られたか!?
あと色欲BBAに至っては何やっとんねん!? 止めろ、離せ、オレのπを千切る気かコイツは!??
…………いや、待て?
いま思ったんだが、そもそも何でオレにπが???
いや、πは元々全ての人類に付いているモノだ。そうでは無くて──
──何でオレのπがデカくな……基、急成長したんだ??? 重いし、肩も凝……
……あー、いや……それだけでは無く……何か、身体にも色々、違和感があるんだが???
え? 嘘だよな???
コレ、女装なんだよな!?
アイツら、まさか──ッ!?!!?
■■■
『鬼叉魔ッッッ! 蘇之驥兌无イ弖出遭ルz弍巫練簍无ッ!!! 碁録巢蠱蘆棲弧滷4照ャ窶!!!!!』
『椰練! 我鵞軌ょ可蘇屢!!!!!』
「社長、そこまで……じゃないと、境子ちゃんにセクハラした奴ら共々、命の保証が出来なくなるよ〜!」
我を失った二匹の人外の雄叫び+久保の呆れ声で、何とか私は正気を取り戻す。
如月──境子ちゃんのπから手を離し、
「ご、ごめんなさい……つい、興奮して!」
と、社会では先ず間違い無く一発outな謝罪が口から飛び出る。
『鬼雌ァーーーーーーーーッッッ!!!』
『砦ー魑亞ン怒手須疾芦壱!!!!!』
……周囲からの冷たい視線が痛い。あと、人外共の雄叫びが煩い。
って、虫ちゃん……? 持ってたペンライト何処やったの? いつ、モーニングスターに持ち替えたの? あとソレ、どうする気???
「そ、そうだったんですね……えと、大丈夫ですよ。全然、気にしてませんから! では、失礼します!!!」
──頬を赤くさせ一礼すると、境子ちゃんは走り去って行く。
う、嘘でしょ???
あの如月が、あんな顔……しかも、何も要求して来ないだと? 関節技すら無いなんて──ッ
『確殺──ッッッ!!!!!』
『生きて帰れると思うな──ッッッ!!!』
「──て、ティアマトちゃん!!!」
『???ヽ( ^ω^)ノ???』
◆◆◆
『主を穢した罪、死を持って償え!!!』
『先の者達と共になッッッ!!!!!』
『???(゜∀゜)???』
──ひ、一先ず……人外共の相手はティアマトちゃんにお願いして、
「久保……アンタ、如月に何したのよ?」
私は、久保に問う。
「ん〜? 眠らせて、性別転換薬と炭酸水を飲ませた。あと、メイクをしたかな!」
「──は???」
「せ、性別転換薬?」
「炭酸水???」
炭酸水は兎も角……せ、性別転換薬って──つまりは……
「……如月、いまマジもんの女の子って事?」
「そうだよ」
「あのπも、自前って事?」
「そうだよ(笑)」
…………は? キレそう。
「社長さん!」
「──そうじゃねぇだろ女社長!?」
と、綾ちゃんと久遠くんが声を上げる。
「そうですよ! πよりも、あのメイクは何使ってるんですか!?? 何処のブランドですかアレ!? 一般人の財布でも手が出せますか!??」
「はっ! 確かに気になるわ!?」
「嘘だろ佐藤!!? 訊かなきゃいけないのは──」
「──あぁ、アレ百均だよ」
「「「嘘でしょ(ですよね)!??!?」」」
あのプルップルの唇が……ぱっちりお目のアイラインが、輝かんばかりのお肌が──
「「「──百……均…………?」」」
「うん。僕も驚いたなぁ〜、昨日の仕返しがてら完全におふざけでメイクしてたんだけど……まさか、化粧が先輩の顔面に合わせてくるなんて思わなかったよ」
……化粧が、顔面に合わせてきただと???
「だぁあああッッッ!!! だからそうじゃねぇって! おい、えーと久保……さん!」
「何かな? 先輩の舎弟クン??」
まるで一触即発前みたいに、バチバチと両者の間に雷光が駆けるのが見える。
「──先生に、いったい何したんスか?」
「ん? それはさっき言ったと思うけど???」
久保の返しに、久遠くんが噛み付く!
「──それだけじゃねぇだろ!? 性別転換何とかは兎も角、先生のあの様子はおかしい! 女社長に何もやり返さないなんて!」
「ほんそれ! 株要求されるかなって思ったわ!!」
「関節技はあるだろうなって思ってました」
「www 先輩に対する理解度高くない君ら?」
──そりゃあね! 自慢じゃないけど、こちとらアイツとは長いのよ!
色々と巻き込まれてるしね!!!
「で? どうなんスか!!?」
「まぁ、先輩いま酔っ払ってるから……」
「アンタ、酒飲ましたんじゃないでしょうね!? アイツ、糞生意気だけどまだ未成年なのよ!!?」
「飲ませたのは炭酸水だよ。先輩、普通の炭酸水飲むと酔っ払ってyesマンになるから」
色々と楽なんだよね〜、と、久保は笑う。
「詳しくはこの『先輩辞典』に全て載せてるけど……」
「──後でコピーさせてもらっても?」
「良いよ」
あ、マジで?
後で私もコピーさせてもらおっと。
『ぜぇ……はぁ…………!』
『……流石は女神だ。強い、な!』
『(`・ω・´)b』
「──あ、どうやらアッチも終わったみたいだね。僕も一度厨房に戻るから、注文があるならベルで呼んで」
と、久保は人外二匹を引き摺って連れて行く。
──残された私達は、
「ま、せっかく来たんだし何か注文でもしちゃいましょうか。奢るわよ、二人とも」
「え? い、良いんですか!?」
「アザっす! 女社長!!!」
一先ず、この文化祭を楽しんでみる事にした。
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……ホント、どうして直ぐ帰らなかったのかしらね私たち? このイカれた学校を楽しもうとか、マジで後悔しか無いわ。
■■■???■■■
「──ほぅ! 新種の植物を作成する事に成功……汚染物質を取り込み除染効果あり。と」
「んぁ? どうしたんだよ、大平??」
「さん、を付けたまえ! にしても、この学校……頭のおかしな連中ばかりが通っているワケでは無いのか」
「???」
「ふむ……味方に付けておいた方が何かと役に立つ者も居るかもしれないし、よし!」
「?」
「この学校の文化祭とやらを見て回ろうじゃないか! さ、田中くん──案内してくれたまえ!」
「ぇえ? 社長や如月のトコに行かなくて良いのか???」
「そんなのは後だよ、後! さ、行こうじゃないか!!!」
「えぇ〜〜〜?」
見てくれてありがとうございます!! 宜しければ是非ともブクマなどをお願いします(゜∀゜)ノシ