文化祭開幕!!!
■■■翌日/教室/8:30■■■
「──出せぇえええええッッッ!!!」
ガンガンガンガンガン──ッッッ!
「あらあら、檻の中でチンパンが暴れてますわ」
「違いますわ、アレはお猿さんでしてよ!」
「違いますわ! アレはゴリラでしてよ!」
くぅッ、ぬかった! まさか床に踏めば発動する結界を仕込んでいたとは、如月、一生の不覚!!!
しかもこの結界めっちゃ強固なんだが!?
殴ってもビクともしない!!!
──アイツらぁ、オレがトンズラした後に集まって複数で結界を展開させたな!?
オカシイと思ったんだ、あんなアッサリ逃げ切れるなんて! 本命はコッチだったか!!!
「──キメラ!」
『私はただの虫。人間の言葉、分からない』
「嘘つけ! ならお前が今話してる言葉は何だ!?」
『虫語です』
──ふぁ●く! コイツ懐柔されやがった!!! さては、まだ昨日のこと根に持ってやがるな!?
「みんなぁ〜、おまたせ〜〜〜☆」
「おぉ、掛かってる掛かってる!」
「──ヒッ!?」
教室へ入ってくる久保とヒナちゃん先輩を見た瞬間──その手に持っているモノを見、悲鳴をあげる!
「さっ、キー様〜!」
「楽しい楽しいお着替えの時間だよ♡」
「──い"ゃ"ぁ"""ーーーーーッッッ!!!!!」
「うるさッッッ!!???」
「ちょっ、静かにしろマンドラゴリラ!!!」
「おい窓にヒビが入ったぞ!?」
「ホイッと☆」
──ポイッ…………びしゃ。
「──ミ"ッッッ!!!!! ぐぅ……」
「ほら皆、もう時間無いからね〜!」
「先輩を着替えさすの手伝って!」
■■■同日/校門前/10:00■■■
「ホントに大丈夫なのかしら? こんなイかれた学校の文化祭なんかに遊びに来ちゃって……」
──来て早々、不安から帰りたくなって来た。
でも帰っても待っているのは仕事だし……あの二人に押し付けて来たからには、遊ばないと勿体無いわよね?
「それに、あの子達をあんなキチ共の巣窟に置いていくなんて出来ないし……久保の事も気に──」
「──あっ! 社長さん、おはようございます!」
「女社長、はよッす!!!」
と、綾ちゃんと久遠くんがやって来て、元気良く挨拶してくれる。
「あら、おはよう。二人とも時間ピッタリね! というか、もしかして二人で一緒に来たの? 青春ね〜」
そう、揶揄い混じりに言ってみると、
「──ち、違いますよ!?」
「偶然そこで会ったから一緒に来ただけッスよ!?」
顔を赤くし反論する二人。
ウン、これ見れただけで仕事サボって来た甲斐はあったわ! 荒んだ心がホッコリするもの!!!
「でも、何なんでしょうね? 面白い事って?」
「先生──変な事されてなきゃ良いけど……」
──二人の言葉に、昨日の夜に届いたメッセージを思い出す。
『明日、先輩が面白い事をするから、暇なら文化祭に遊びに来なよ。場所は2-5組の教室。 久保より』
いやぁ、届いた瞬間──秒で二人に同じの送ったわ。だって怖いし。
「久遠くん、如月には訊けなかったの?」
「いや、昨日は疲れたのか先生爆睡してて……」
「──あー。それは無理ね。如月の奴、寝てるのを起こすと機嫌がクソほど悪くなるし」
「はい……起こしてほしいって言われたから起こそうとしたのに、寝惚けて一本背負いされた事もあるんで」
──はぁぁ……と、二人して溜息を吐く。
「そ、それなら早く行きませんか!? ね?」
気不味いのか、綾ちゃんがそう提案してくる。
まぁ、そうなるわよね〜……はぁ。
「──虎穴に入らずんば虎子を得ず……ね。二人とも、心の準備は良い!? 行くわよ!」
「はい!」
「ウス!」
こうして、私達は虎穴に自ら入って行ったのだった。
■■■???■■■
「──アレは……社長? ふん、都合が良いじゃないか。昨日の復讐がてら此処で纏めて倒してやる!」
「おっ! 来たのか、大平!!!」
「だぁあああッ! 大声を出すんじゃないよ、あと年上には『さん』を付けなさいとあれほど──」
「? まぁ、コッチ来いよ大平! いま、如月すげぇ面白い事になってるからさ!!!」
「だから『さん』を……嫌なら『神』と呼ぶがい──ちょ、腕を引っ張らないでくれたまえ!!?」
「ほらほら、早く来いって!」
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