VS 魔王軍
皆様、ハッピーニューイヤー!!!
──年末までに、体育祭が終わりませんでしたーーーーーーーーッ!!! (土下座)
◆◆◆
( `皿´)ノシ===(魔王軍への慈悲)
( `皿´)ノシ===(後輩への容赦)
( `皿´)ノシ===┌(┌ ;ε;)┐
──ふぃ〜〜〜ッ!!!
さてと……では、作戦を始めようか!
■■■悪魔の魔眼■■■
「──バアル、終わった?」
『あぁ、今しがた完了した。ククッ、これでまた手駒が増えたな』
魔王軍拠点、その中央にて──人間の問いに、悪魔が笑みを浮かべ答える。
「──久保ちゃん、ちょっといい?」
「ん? どしたの、ヒナちゃん先輩??」
「いやね、今さっきウチの使い魔が戻って来たんだけどさ……報告聞く限り、やっぱキー様裏切ってるっぽい」
──やっぱりか。
と、人間──久保は小さく溜息を吐く。
「それって、もう記憶は戻ってるって事だよね? それとも、利用されてるとか??」
「ゔ〜ん、利用されてるとは思えないかなぁ……本人ノリノリで指示出してたらしいし」
──先輩本人が指示?
どういう事だ? もう記憶喪失のフリをする必要が無くなった?? 確かに、残りの人数は少ないけど……?
いや、そもそもあの記憶喪失のフリは、本当に僕達を油断させる為だけにしてたのか?
でも、あんな手の込んだ事をする理由……
「……ッ! ヒナちゃん先輩、先輩の所に居る奴らの数を教えて!!! 大雑把で良いから!」
「約30ぐらいかな。社長軍と勇者軍の生き残りが集まってたみたい」
『何か分かったのか、主?』
いや、まさか……でも、先輩なら!
「──多分だけど、先輩が今ごろになって記憶喪失のフリを辞めたのは、時間を稼ぐ必要が無くなったからだ」
◆◆◆
「……っと、頭の良い我が後輩は考える筈だ」
アイツはいつも難しく考えがちだからな。
「ほぅ? つまり、どういう事???」
ほぼ負け確の残党を集める
+
記憶喪失のフリを辞めたオレが作戦指示
Ⅱ
コレは何かある!!!!!
と、まぁ、簡単に説明するとつまり──
「──オレが何かやらかすと警戒して、直ぐにでも始末しようと動く。なので総員、迎撃準備!」
さっき結界の外にポイッ、したヒナちゃん先輩の使い魔から此方の情報は向こうに渡った。
……何故追撃して来なかったかは、恐らくだが悪魔の魔眼を使用し手駒を増やしてたから──かな?
「というか、そうじゃないと白神が闇堕ちして魔王軍についてる理由が分からなくなる」
「──え?」
「ちょい待ち!」
「白神はオレらにキレて魔王軍についたんじゃ無いのか? 違うの??」
……はぁ。まったく、
「お前らはホントに薄情だな。そんな事で白神がキレる……かもしれないが、仲間を手に掛けるとでも?」
白神に限ってそれは無いだろ。
オレが言うのも何だが、アイツはマジモンのお人好しだぞ? 去年もそれでオレにボコられてるし。
「──そ、それは確かにそうだけどよ……?」
「でも、それならどうして白神は魔王軍に居たんだよ? オレらに愛想が尽きた以外に理由なんて──」
「だよな? オレだったら絶対にキレてるし」
はぁぁ……たくッ、時間が無いってのに。
「これはオレの推測だが──魔眼だよ。悪魔の魔眼を使われた可能性がある」
「「「──魔眼???」」」
「そ。久保が連れてる悪魔──バアルの魔眼の効果は相手の負の感情を増大させる」
まぁ、もう一つ効果があるのだが──恐らく使われたのは此方だろうから、此方の効果だけ言っておこう。
色々と面倒なんだよ、あの悪魔は。
「……ぇ、えっと…………?」
「つまり?」
「相手に対し、怒りや憎しみを感じたら強制的にコイツぶッ●してやらぁ! 状態にされる」
馬鹿っぽい説明だが、間違ってはいないぞ。
「──それヤバない?」
「ヤバいですけど、何か?」
「いやいやいや!!? 何か? じゃねぇよ!?」
「それどうやって解除すんの!?? もしかして一生そのまんまとかじゃないよな!?」
「違うって言って! お願い!!!」
──ε-(呆ω呆 )
「違う、解除方法はあるから安心しろ。ただ、その為にはお前達にやってもらいたい事がある」
「「「何でも言ってくれ! 何をすればいい!?」」」
……即答か。つか今、何でもって言った?
まま、ええわ。一先ず──
「なら、勇者軍の中で異世界転移した事ある奴ちょっと来い。お前ら──で────なモノとか持ってない?」
◆◆◆
──ふぅ、思ったより時間が掛かったか。
「如月さん!!!」
「先生、オレらも迎撃に参加すれば良いっすか!?」
「はぁ、どうせ無茶振りするんでしょ? 早く言いなさいよ、如月!」
お、鋭いね社長。
「……綾ちゃん、それに久遠……二人には任せたい事があるから、迎撃戦には参加しなくていいよ」
「え? ま、任せたい事ですか??」
「それはいったい……?」
オレの言葉に、二人は不思議そうな顔を向けて訊いてくる。ので──
「──うん! 二人には、魔王軍の指揮官……久保を、倒して来てほしい」
ハッキリと、そう告げてやる。
そして数瞬の沈黙の後、
「ちょっ、如月! アンタ正気!?」
いの一番に言葉の意味を理解したらしい、千尋さんが口を開く。
「はい。正気ですし、本気です」
が、オレも本気で言っているのだ。
「……ッ、り、理由を教えて下さい!」
「あ、ああ……先生を疑うワケじゃねぇけど、何でオレ達に?」
完全に予想外だったのか、二人の声は震えていた。
「理由は幾つかあるけど、先ず一つに、オレは残党軍の指揮官として此処を離れる訳にはいかないから」
頭が現場をほっぽり出すワケにはいかないだろ? と、ウィンクで答える。
「──でも、それなら私も一緒に!」
「ダメです。社長は此処で待機してて下さい。他の社長軍も迎撃戦の方に向かわせます」
「なんでよ!!?」
と、社長は怒鳴って来るが──、
「──気付かれるワケにはいかないので。迎撃する人数が少なければ、久保はオレの策に間違い無く気付く」
魔王軍の大多数を此方で引き留め、手薄になった敵本陣にて久保を討て。
リスクで言うのなら、どちらも大差無い。
「それに、餌は多い方があの脳筋共の食い付きも良いので。オレと社長なんて最高の餌でしょ^^」
と、笑う。
「──でも、二人なんて幾ら何でも!」
「そうですか? オレは可能だと思いますけど??」
実力だって申し分無いし、それに……、
「それに──もっと頼っても良い、って言われちゃいましたからね?」
と、あの夏の日に言われた事を口に、言った本人へと目を向ける。
「──ッ!」
「それに、オレの舎弟ともあろう者がまさか、やる前から出来ませんなんて弱音を吐く訳が無いでしょう?」
「ぁ──ッ!!!」
オレの煽り文句に、二人は顔を上げる。
「──でもッ!」
「まぁ、千尋さんの心配も分かります。ので、決めるのは二人って事でどうです? どう二人とも、やれる?」
それとも、やれない? と、口にする間も無く、
「──やります!」
「──やるッす!」
二人は、良い顔でそう答えたのだった。
◆◆◆
「──じゃあ、そろそろ迎撃戦を開始するから……二人とも、気を付けてね!」
結界の外へと目を向けると、オレ達を囲む様にグルリと魔王軍に包囲されている。
──上空もまた然り……だが、
「少しくらい無茶をすれば、敵の群れに穴くらい開けられる──パラサイト、レールガン」
まだ増殖しきっていない。数が足りない。
……なら、別の場所から補えば良い。
「パラサイト、続いてサクリファイス発動。オレのエネルギーを限界まで喰らえ」
途端──身体中から力が抜ける。
「ッ!」
急速な脱力感に襲われ、思わず地面に片膝をつくが……まだだ。
「如月さん!?」
「先生ッ!??」
「ちょっと、アンタ顔色ヤバいわよ!? 大丈夫なの、ねぇ如月!!?」
「──大、丈夫……です。それより、二、人、とも集中し、て! 結界に、穴が開い…たら、行って!」
あぁ、くそ……喋るのが辛い。
目まで、霞む……。
まだ、まだだ──レールガンを頭上へと、向ける。
はぁ……これ、発射したら反動とかで少しの間、動けなくなるな。
──まったく、こういう時に限ってキメラも白崎もお使いに出してる状態だから笑えない。
苦笑し、レールガンの引き金を力一杯引く。
瞬間──黄金の光の束が、銃口から上空へと放たれる!
「──ッッ…………い、まで……す!」
言えたのは、それだけだった。
全身から力が抜け、身体が完全に崩れ落ちる。
耳に入るのは、バサッバササッ、と、いう羽音のみで……敵か味方か判断すら出来ない。
霞む視界は、眩み……やがて、暗転した。
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