VS 連合軍1
■■■報告書■■■
──k達は二手に分かれ、連合軍への二点同時攻撃を開始。
監視を続行する……┌(┌ ^q^)φ_
キサクオ……クオキサ……うへへへッ!
┌(┌ *^q^*)φ__φ(*^q^*┐)┐
◆◆◆
…………ッ!?!!?
何だッ!? い、いま悪寒が──ッ!
「あの、先生……オレ、今なんか寒気が……」
「き、気の所為では……? ッ、パラサイトさん剣形態──お兄さんしゃがんでッッ!!!」
「──うぉあッッッ!??」
久遠が短く叫び屈んだ瞬間──その頭上目掛けて、オレは剣を横に振るう!
『ギャッ!!?!?』
まだ低レベルのモンスターだったのか、両断したモンスターは呆気なく光の粒子となって消滅した。
「……大丈夫ですか?」
微笑みながら、一応、そう久遠に問うてやると──
「は、はい! すんません、せんせ──ッ、混沌龍!」
「──おっとッ!?」
途端、オレの背後からモンスターの悲鳴と共に……バリッ、グシャッ、と、何かを噛み砕く様な音が上がる。
背後へと視線をやると、混沌龍の牙だらけの口がモゴモゴと動いており、そこからトカゲの足っぽい何かが覗いて……いや、オレは何も観てない。観てないぞ!
「ありがとうございます。お兄さん」
「いえ、お互い様ッす! でも、やっぱ数が多いッすね、佐藤達、大丈夫かな……?」
ふむ──それは多分、大丈夫だろ。
綾ちゃんには切札だって渡してあるし、社長のスマホを操作してティアマトちゃん達を呼べば済む。
と、言うか、危なくなれば連絡して来るだろう。
…………つか、オレも勇者軍の拠点に残して来たヤツらにそうすれば良かったのでは??
ま、まぁ後で、白崎に連絡してみよっと。
──結界内に電波が届くかは知らんけど……!
■■■やっちまったZe(n回目)■■■
…………それにしても、
「混沌龍はブレス攻撃! バハムート、薙ぎ払え!」
「──ッ!」
次から次にワラワラと……!
そこら辺で捕まえたばかりの様な低レベルモンスターばかりが、連合軍の拠点から次々と押し寄せてくる。
──強くは無いが……此方の体力は少しずつ削られてゆく。
「ッ、不味いな……」
オレは記憶喪失のフリも忘れて、思わず苦虫を噛む。
「──クソッ! さっきから全く数が減らねぇ!!! どうなってやがる!」
幸いにも、久遠はオレの呟きを聴いていなかった様子で怒鳴っているが──ま、気持ちは理解る。
&、久遠がオレ以上にプッツンなので冷静になった。
──先ずね、このモンスター無限湧き事件だが……それは、ゲームの仕様とオレのやらかしによるモノだ。
実はこのゲーム、弱いモンスターの復活時間は短めに設定してある。のだ!
つまり──
──『モンスターが弱ければ弱いほど速く復活』する様になっている。
うん……やっちまったZe( ・ω^ )ミ☆
だが、幾ら弱ければ速く復活する。と、言っても無限湧きするほどでは無いだろう。
モンスターはやられても若干、経験値が入るのだ。
現に、戦闘を開始した時に戦ったモンスターがさっきまた出て来たのだが──前は一撃だったのが、今回は二撃だった。
──こ、コイツ強くなってやがる!
と、脳内で一人遊んでいたが、恐らくはマジでレベルが上がっていたのだろう。辛たん。
まぁ、モンスターが強くなれば……当然、復活に掛かる時間は長くなる。
と……思うじゃん?
でもさ、憶えているかい? 良い子のみんな!
このゲームには、『復活アイテム』がある!!!
──って、コトをさ!
いやぁ……やっちまいましたね(; ・ω^ )ミ☆
はい、そうです。僕、やらかしました(遠い目)
社長には怒鳴られるから黙っていたが、アレは三日ほど前じゃったかな? 大平から大量注文があったんだよ──『復活アイテム』の。
はい……はぃ……このモンスター無限湧き事件の犯人は、僕でしゅ。僕がやりました、ごめんなさい!
──でも、後悔はしてない!
反省はしているけどッ!!!
そもそもオレの今回の立ち位置はあくまで商人なのであってモノを売るのがお仕事だったワケだつまりソレは味方であろうが敵であろうが中立の立場でニコニコと笑いながら双方がwinwinになる様に取引をする事でもあるのだよ此方は懐が潤い向こうはアイテムが潤う正にコレこそがwinwinの関係で──(以下略)
■■■モード『忍』■■■
と、つまりそういう事なのだよ──ふぅ、理解ってもらえたかな??
──え? くだらん言い訳はいいからどうにかしろ、社長にバラすぞ……って??
はぃ、すみません……。
どうにかするので社長にだけはご内密にお願い申し上げます(土下座)
「すみませんお兄さん……少しの間だけ、此処を任せても構いませんか?」
「──へ? い、いや多分大丈夫っスけど、急にどうしたんです先生??」
いきなりの離脱宣言に、久遠が慌てて訊いてくる。
許せ久遠……オレにも怖いモノはあるんだ。
「いえ、大した理由は無いんですけど──これ多分、サクッと本命を殺った方が速いので。暗殺して来ます」
「…………はぇ!? え、あ、暗殺ッスか!??」
「はい、暗殺です。パラサイトさん、モード『忍』」
そうパラサイトに指示すると、剣は短刀へと変わり──鎧も速さ特化の装束に変化する。
いや〜、こういう時にセット装備を覚えさせといて良かったって思うよ。グッドボーイだパラサイト!
「──へッ!? は、ぁ……!??」
と、混乱した様子の久遠に、
「じゃあ、殺って来ますね^^」
告げ──オレは拠点内部目指して一直線に駆けて行くのだった。
見てくれてありがとうございます!! 宜しければ是非ともブクマなどをお願いします_:(´ཀ`」 ∠):