可愛いは正義だよ
◆◆◆(( _ _ ))..zzzZZ◆◆◆
『──あ……じ…? ある……! き………に…着しま…………よ!!』
………………んぁ……?
「きさ……ぎ!! さっ…………なさ……よ!!」
──ん〜?? さっきから何? 五月蝿いんですけど?
「如月!! アンタなに悠長に爆睡キメこんでるのよ!!? サッサと起きなさい!!!」
「…………あと86400秒……」
「アンタ丸一日寝てる気!?」
うぁ……ちょ、頬を引っ張らないで下さい……千尋さん……。
『なッ!? 主に乱暴するのはやめてください!!』
──ナイスだ、キメラ……(-_-)zzz
「二度寝すんじゃないわよ!!! アンタも自分のご主人様を甘やかさないの!! このままじゃあコイツ、ダメ人間まっしぐらよ!」
『………………それはそれで……有り、ですね……!』
「無しに決まってんでしょ!! ほら如月、サッサと起きなさい!!!」
◆◆◆(p_-)◆◆◆
──せっかく気持ち良く寝てたのに……。
「此処is何処??」
「聖域の拠点から少しだけ離れた場所よ。人目がある所だとモンスターが目立っちゃうからね」
………………なるほど。
「──ジャバウォック、『境界』発動」
オレの影に潜ませているモンスター、ジャバウォックにスキルの発動を命令する。
……一応このスキルについて説明すると──ご都合展開マシマシの超万能空間を創り出して、其処にプレイヤーとモンスターを強引に引き摺り込む能力だと思ってくれ。
一言で言うと、範囲とかその他諸々あるけど現実に影響を与えないバトルフィールドを展開させたってことだ。OK?
「うぇッ!?!!? ちょっ、何よコレ!!?」
一瞬、周囲の景色がグニャリと歪むが……すぐに元に戻る。
「いや、人目を気にしていたので──ご都合展開マシマシのバトルフィールドを設置しました」
これでいくら暴れても、現実に一切の影響は無い。
「──はぁ?!?!! バトルフィールドぉおお!??」
あぁ……そう言えば、綾ちゃんには説明したけど千尋さんには説明してなかったわ。
◆◆◆〜〜〜説明中〜〜〜(´-`).。oO◆◆◆
「──という事です」
「ほぇ〜、現実に一切影響の出ない空間って……何かこう、厨二心がくすぐられるわね!」
……その気持ちは、うん。ちょっと理解る。
「あの……如月さん、ちょっといいですか?」
まるでタイミングを見計らっていたように、綾ちゃんが声を掛けてくる。
「ん? どうしたの綾ちゃん?」
そう訊き返すオレに、綾ちゃんは少し気不味そうに、
「──あの、今こんな事をお願いするなんて自分でも間違っているとは思うんですけど……」
と、前振りすると……顔を真っ赤にしながら、震えた声で言葉を紡ぐ。
「……その、お、お預かりした龍と、もう少しの間だけでも一緒に居たいんです!! で、ですからあと少しの間だけ、この子をお借りしていても良いでしょうか!!?」
そう──ぷるぷる震えながら、綾ちゃんはオレに頭を下げて必死に頼み込んできた。
「──え、めっちゃ可愛いんだけど?」
(いや、いきなりそんな事を言われても……)
「オネェさんが買ってあげるわ!!」
(如月、言ってる事と思っている事が逆になってるわよ?)
──アンタもな!!
「へッ?! あの……そ、それはさすがに悪いです……! それに、そういうのはきちんと自分のお金で──」
「──よし売った! 売値は5円です毎度ありがとうございました!!」
毎度あり!! d(^_^)
……ラベちゃん(ランクB/ラベンダードラゴン)のご主人様は今日から綾ちゃんだから! それに龍の方も綾ちゃんにベッタリだし、大事にしてやってね!!
「──へッ!!? いや、でも……ッ」
綾ちゃんは申し訳無さそうに言ってくるが、
「……相手からのこういう厚意はちゃんと受け取るのが礼儀ってものよ」
──千尋さん、ナイスフォローです!!
「だから如月、私にもこの子(ランクA/ワイバーン)を売りなさい。5円で!!!」
──前言撤回、この人は無償で誰かのフォローをするような人じゃなかったわ。
「……気に入ったんですか?」
「えぇ!! この子、すごく紳士なの! 飛んでる時に、私が背中に乗っているのかチラチラ見て確認してたし、スピードの調整も完璧!! 凄く快適な空の旅だったわ!」
と……嬉しそうなお顔で仰られているところ大変に恐縮なのだが──それは騎乗する時に貴女が脅したからでは?
あと、現在進行形で貴女に撫で回されて、喉をキューキュー鳴らして紳士がヘルプを求めているのだが??
「──そうなんスか。それなら500万でいいですよ」
「何でよ!?!!? 5円にしなさいよ、ケチッ!!!」
はいはい、そういう事は安堵の表情をしているワイ君(ワイバーン)を見てから言ってくださいね〜?
「………………デュフフ……さすがは拙者のソウルメイト、境夜たん! モンスターの気持ちをちゃんと考えられるその姿、実に素晴らCでござるよ!!」
◆◆◆ΣΣΣ( ̄(工) ̄)!?!??!?◆◆◆
「──ッ!!?!??」
「──ッッッげ!?!!?」
何で、この人が此処に居るの!?
「……え? あの、貴方は……?」
ハッ!? ダメだ、綾ちゃん!!!
「「「──デュッフッフ!!! 拙者こそ、組織『聖域』の『教皇』! 鈴木 信二でござる!!」」」
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