シートベルト? 有ると思う??
◆◆◆(T ^ T)◆◆◆
「……社長、お家に帰ってもいいですか?」
「ダメよ。諦めなさい如月くん……」
「──(T ^ T)」
「嘘泣きしてもダメ。今回ばかりは心底、可哀想だと思うけど……私だって我慢して……ほ、ホントは行きたくッ、無いのに、グズッ! い、行ぐん”だから!!」
「…………社長……、辛い時には、泣いてもいいんですよ……(T ^ T)」
「うぅッ……うぁ、ぎざらぎぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいッッッ──。゜(゜´Д`゜)゜。」
──( T_T)\(^-^ )<ヨシヨシ……。
『いや、あの……ですから──』
「──鈴木さんってどういう人なんですか?」
……どういう人かって訊かれても、
「重度のアニメ好き。所謂アニオタ。あと、人の地雷を容赦なく踏み抜いてくる自殺志願者。一人称『拙者』、人の事を『〜たん』って呼んで来たり罰ゲームと称して人にメイド服やらネコミミカチューシャを付ける事を強要してくる関わり合いになりたく無い奴ぶっちぎりの一位!」
「しかもよ……? 如月の塩対応で泣いてたから、可哀想に思って慰めてやろうとしたら『拙者、BBAは許容範囲外なんで……ぺッ!』って言って来やがったのよアイツ……脳内で五十回は刺したわ」
──こういう人、としか言えんのだが? ちなみに、オレは脳内で数え切れない程には殺ったわ。
『な、なるほど……』
「そ、それは……災難でしたね、お二人とも」
何も知らない一人と一匹はそんな事を言っているが……いやいや、何言ってんの??
『──ふぇ!?』
間違い無く君達も同じ目に遭うだろうに──知らぬが仏とはまさにこの事か……。
『いや、えッ!? し、知らぬが仏って……私は今知っちゃったんですけど!?!!?』
「──はぁ……心底嫌だけど、そろそろ行きましょうか。報告によれば、此処から聖域までは結構時間が掛かるしね」
そういや、聖域があるのは京都か……。一般の交通機関では確かに時間が掛かるな。
『──いやあの、無視するのやめてくれません!? ちょッ、主ぃ!??』
■■■〜〜〜如月航空〜〜〜■■■
──いやぁ、我ながら自分の閃きが恐ろしいわ!!
場所は百鬼コーポレーションの屋上。
……通常時は危ないので行けないようにロックされている所だが、この会社のロックくらいチョロ──今回は特別に許可してもらったのだ!
「アンタさては……普段から此処で仕事をサボってるわね?」
「………………(^ω^)」
「おいこら何か言え」
オレはスマホから飛行モンスターを数体召喚すると、
「「「──只今より、『如月航空』を開業します!!」」」
そう声高々に宣言する!!!
「は?」
「へ?」
『…………(無視されたので拗ねた)』
はいはい、質問等あるでしょうが先に軽く説明させてもらおうか。
「──まず最初に……お客様がお乗りになるモンスターには命綱などは一切付いておりません!」
「いやダメじゃん!」
「それは……ちょっと……」
『………………(拗ね中)』
お客様よ──自分の身くらい自分で守れ。
「シートベルトなんてありません! もしモンスターから落下したら?? 自力で何とかしてください!!」
──又は、来世に想いを馳せるのも良いですね!
「できるか!」
「無理です……」
『…………所詮、虫よりも格好良い龍とかの方がお好きなんでしょう? 拗ねてません』
──大丈夫だぁ。何も問題は無い!!
「──あぁ、ロープとかでしたらレンタルしますよ? 一本500円です。それが嫌なら自前で用意してもらっても構いません」
「……ワンコイン……だと!?」
「あれ? 思ったより、安いですね?」
『私ならロープすら必要ありませんけど? 但し、主専用ですけどね!』
──君らはオレを何だと思ってんの? あとキメラは何と張り合ってんの??
「あと……今回は試運転みたいなモノですので料金は無償で構いませんよ。後で感想だけお願いしますね☆」
──まぁ、利用するかしないかはお客様次第だ。
利用したくないのなら、まぁ……此処から京都だから、新幹線で二時間ほどだろうし無理強いはせんよ。
「──では、何か質問等あればどうぞ!!」
◆◆◆〜〜〜Q&A〜〜〜(^_^)v◆◆◆
Q:何で命綱を付けないの?
A:面d──モンスターが嫌がるかもしれないし、ロープをレンタルしてもらった方がオレ的には儲かるからです☆
Q:モンスターを移動手段にして、何も問題とか無いんですか?
A:お昼のニュース番組などで『U★A特集』とかが放送されるようになるだけなので問題ありません。貴女のお父様もモンスターに乗ってましたしね。
Q:主を運ぶのは私です!!!
A:はいはい、お姫様だっことかはするなよ? あと、別に龍とかじゃなくて良いから、ちゃんと乗れるヤツに擬態しろよ??
◆◆◆〜〜〜終了〜〜〜◆◆◆
「──は〜い! 以上で質問等は終了です!! それでは、如月航空を利用されるお客様はモンスターにどうぞ!」
『主は私にどうぞ!!!』
……はいよ。まったく、お前はいつの間に擬態したんだ?
しかも、そんな乗り心地の良さそうな──モフモフの……狼犬? えーと、蝙蝠みたいな翼と蛇っぽい尾? みたいなのが生えているが、まぁ……犬みたいなモンだろう!
──意地でも龍にだけはなりたくなかったんだな……サイズは龍と同じくらいだけど。
「もし飛んでいる最中に振り落としたら……化けて出てやるから……」
──と、言いつつも結構楽しそうなお顔をされてますけどね? しかも命綱を付けないなんて挑戦者ですね千尋さん。
「御免なさい……その、邪魔かもしれませんがロープだけ付けさせて下さいね」
……対照的に綾ちゃんは、モンスターに丁寧にロープを結び付け騎乗する。
『さぁ、どうぞ主!』
「………………ッッ!?!!?」
その場に『伏せ』をするキメラに騎乗するが──何コレ!? モッフモフなのですが?? このまま寝たら絶対に気持ちいいヤツだよコレ!!!
──眠い! 寝てしまいたい!!!
『如何ですか主??』
「……やばいな、コレ……」
本気でやばい! 少しでも気を抜いたら意識がグッバイしそうだ!!
……ッ、だが……我慢しろオレ! 意識を強く保て!
オレは頭を振り、何とか意識を保つと……半ばヤケクソのように声を大にし告げる!
「「「──全員、準備は出来ましたね!? それでは、京都にある聖域の拠点へ──出発ッッッ!!」」」
見てくれてありがとうございます! 宜しければ是非ともブクマなどをお願いします!!
それと遅くなりましたが、高評価やブクマを下さった方々──本当にありがとうございます!
ご期待に添えるようにこれからも頑張っていきますのでよろしくお願いしますm(_ _)m




