仮装リレー
■■■仮装リレー■■■
「──事情は理解したよ、久保ちゃん。でも、理解するのと納得するのは別!!!」
女の人はクルリ、と、僕達の方を振り返り言う。
ソレにあわせて、女の人に呼ばれて集まっていた人達も怖い顔を向けてきた。
「成る程。つまり、先輩の事を納得してもらうには条件があるって事でOK?」
そう、僕と一緒に居た……男──女? どっちなんだろ?? えーと、く、久保ちゃんさんは訊き返す。
「そそ。話しが早いね久保ちゃん! キー様なら記憶喪失のフリくらい出来るっしょ?」
すると、女の人は話しを続けた。
というか……キー様って誰なんだろ?
「確かにね。先輩ってば万能超人だし、その内、万病にも効くよ!!!」
──へぇ、そんな人が居るんだ。
「其処はノーコメで。で、条件なんだけど──次の種目にキー様を参加させるってのでどう?」
──次の種目??
あと、何で皆……僕の方を見てくるんだろ?
「……待って。次って女子種目じゃなかった?」
「そだよ! 次の女子種目の『仮装リレー』にキー様を参加させる事がウチらが納得する条件なのだよ!!!」
「……ウチら(主にヒナちゃん)が。な」
「すまん如月。オレらには止められ無かったんだ……大人しく犠牲になってくれ」
──え? 犠牲???
◆◆◆
「ハァッ、先輩ごめんね! ハァハァッ、コレばかりはどうしようも無いからハァッ、参加してくれる?」
『主、ハァッ、呼吸が荒いぞハァッ! 校長の許可ならハァハァッ、任せろ! カメラの用意もな!』
『──主の信用の為だ今回ばかりは協力してやる! 撮ったモノは焼き増しの後、山分けでどうだ?』
「『──意義無し!!!!!』」
『決まりだな。ささッ、主は此方へ!』
なんだろ? 何か知らない内に、大変な方向に話しが進んでる様な気がする。
……そして、キメラさんに手を引かれ──女の人が沢山集まっている場所まで来た。
「あれ? 如月???」
「え? 何で如月さんが此処に???」
あ! さっきのおばッ──ゔぅん!!! お、お姉さんと女の子も居る。
『あ"ーあ"ー、よし! マイクOKです!!!』
『はい、ありがとね。それでは、お集まりのレディ達! 準備は良いかぁ!!?』
「「「はぁ〜〜〜い!!!!!」」」
──準備? 準備っていったい……???
『ではコレより女子種目「仮装リレー」を始めたいと思います! 順番が来るのを心待ちにしてましたよ!』
『それはワシもじゃよ……と、その前に一つ、皆に伝えておく事がある!』
伝えておく事……? なんだろ??
『えーと、皆さん既にご存知だと思いますが……魔王軍総大将、如月くんが記憶喪失になっちゃった件ですね』
『うむ。記憶喪失は割と良くある事なんじゃが、あの如月がなぁ……余程、衝撃的な何かがあったんじゃろ』
──ッ……魔王軍総大将??? 僕が?
「え? 初耳なんだが???」
「如月、記憶が無くなったのか!?」
「ぷっ、あらあらあら? まさか知らなかったの? 連合軍って遅れてるぅ!」
外野からの声に、おばッ──お姉さんは、声高らかに笑いながら言葉を返す。
──何だろ……頭が、ッ!
『主? 大丈夫ですか??』
「……えッ!? あ、あぁうん──大丈夫だよ」
さっきの頭痛はいったい──?
『ですが、一部の方々からその記憶喪失は如月の演技なのでは無いか? と、いう声があがりまして……』
『その記憶喪失が演技なのか否か、この種目で明らかにしたいとの申請があったのじゃ』
………………え?
「まぁ、日頃の行いね……」
「如月さん、ドンマイです」
『──正直言って、オレも怪しいと思ってるんでね! 今回は特別枠と言う事で……』
『如月の飛び入り参加を受領しちゃった☆ 尚、文句は受け付けん!』
………………………………え?
『何故なら──オレ(ワシ)らがルールだからだ!』
………………………………………………。
『それでは以上を持ちまして!』
『──女子種目、仮装リレーを開始したいと思う! それでは、それぞれ配置につけぇい!!!』
………………………………………………(´・_・`)
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