記憶喪失
■■■〜〜〜前〜〜〜■■■
………………あらすじ……って、なに??
■■■医療テント内■■■
『──主が、記憶喪失……だと?』
「はい。重度の恐怖と甘味中毒による何やかんやによって、頭がパーになったみたいです」
『そんな……!』
──? 何でこの人は、オレ……僕? を、見ているの??? 何かしちゃったのかな?
「ちょっ!? 本当なのそれ!!? 盗み聞きしといてアレだけど、本気と書いてマジと呼ぶ方!?」
人が……増えた。
「はい、マジな方です。それと、もう少しお静かにお願いします。控えめに言って煩いので」
「ご、ごめんなさい! でも……えぇ??」
「…………?」
何で皆んな、僕を見るの?
『主、本当に何も憶えていないのですか?』
「そうよ! 何か一つくらい憶えている事も──」
──主? 主って……
「あの……主、と、いうのが僕の名前なんですか? すみません、何も、分からなくて…………」
『──ッ!』
「そんな!?」
……あれ? どうして、そんな悲しそうにしているんだろ?? 主って、僕の名前じゃ無いのかな?
「女社長! 先生の容態はどうなんスか!?」
「如月さんは大丈夫なんですか!??」
「あれ? 境夜たん、目が覚めたんでござるか?? お身体は大丈夫そ?」
──また、増えた。
◆◆◆
「如月さんが、記憶……喪、失…………?」
「おいテメェッ出鱈目言ってんじゃねぇ!!! 先生がオレ達を忘れるなんてあるワケ──ッ」
…………ひッ!
「──止めなさい久遠くん!」
「ッ! でも女社長!?」
「……久遠氏、落ち着くでござるよ。先ず、其処の方が嘘をつく理由など無かろうて?」
「それはッ──そうっスけど……!」
「それにね、あの如月を見なさい。貴方にはアレが普段のアイツに見えるの?」
「──ひッ! あの、ご、ごめんなさいッッッ!」
「あっ…………いや、その──オレの方こそす、すみませんっス、先生!」
え? 何で、この人も謝ってるの?? それに、いま、僕の事を先生って?
「アイツの口から『ごめんなさい』とか、はぁ。調子が狂うわね……」
『──あ"? 主は元からちゃんとごめんなさいが出来る子でしたけど??? ね〜、主?』
そう言うと、男の人……かな? は、僕を抱きしめてくる。
やっぱり、僕の名前って『主』なのかな? でも、さっきの人は『先生』って……??
「あの、えっと……?」
「──ちょっと待ったぁーーーーーッ!!!」
『その話し、我々も混ぜさせてもらおうか!』
え? また、人が増え──???
◆◆◆保護観察権◆◆◆
「──うげ、何でアンタも来るのよ久保。それと、そっちの……色男さんはどなた?? 彼女はいる?」
「愚問だね社長! 先輩の一大事とあらば僕は何処にだって現れるさ!!!」
『これは申し遅れた。我が名はバアル……元主の懐刀にして、かの──彼の相棒だ。彼女はいない』
……恭しく頭を下げるバアルさん。
とても優しそうだけど──何でだろ? なんか背筋がゾクゾクする。
『おい、此方は主の一大事だ。用が無いのならサッサと帰れ。用が有ってもとっとと失せろ』
「え? あの……」
僕を抱きしめている男の人は冷たく言う。目つきもさっきまでとは違って鋭い。
『おいおい、そう邪険にするなよキメラ。主の手前だろ? 仲良くしようじゃないか』
『変態ストーカー悪魔と仲良くするつもりは無い。おい近付くな、主が穢れる』
『──はぁ? それはお互い様だろう忠犬クソ虫。あんな殺虫剤に遅れを取るとか笑えるなw』
『あ? やんのか主に売っ払われた三下半額変態悪魔が?? 相手になんぞゴラァ』
男の人──キメラ、さん? と、バアルさんの間に何かがバチバチと迸っているのが見える。けど……
「テント内では、お静かに(圧)」
『『『──すみませんでしたッ!!!!!』』』
お姉さんの一言で、早々に撃沈した。
「はぁ。それで? アンタはいったい何しに来たのよ、久保??」
二人のやり取りを見て、呆れた様におば──
「──お姉さん。よ? 理解ったわね、如月?? お返事は?」
お、お姉さんは僕を見て言う。
「は、はい……その、ごめんなさい。お姉さん」
「ちゃんと謝れて偉いわねぇ、でも次に私をオバさんって言ったらぶっ飛ばすからね如月?」
反射的に答えちゃったけど、どうやら間違って無かったみたい。それと僕の名前……如月、って言うんだ。
「まったく……で? 久保、もう一度訊くけど、アンタは何しに此処へ来たワケ?」
おッ──お姉さんは、久保さん……? に、訊く。
すると、
「フッフッフ、僕はねぇ──先輩の『保護観察権』をぶん取りに此処へ来たんだよ! というワケで、はいコレ申請書。校長のサインもちゃんと貰ってきたよ!!!」
………………え?
──やっちまったZe☆
あ……見てくれてありがとうございます!! 宜しければ是非ともブクマなどをお頼み申す(゜∀゜)ノシ