パン食い競走3
■■■〜〜〜前〜〜〜■■■
お空きれぇ〜〜〜(遠い目)
◆◆◆〜〜〜如月人形〜〜〜◆◆◆
「──ケルベロスもっと急いで下さい!!! クリームがッ、クリームが地面に落ちる前に食べないと!」
『ガゥ!!!!!』
(訳:合点承知!!!!!)
『おーーーとぉッ!?? 社長軍、佐藤 綾選手速い! いや、ちょっと速すぎんか!?』
『召喚した巨大な三首の犬の背に跨り、光のような速さで駆けておるの!』
「きゃーーーーーッッッ!!!!! 綾ちゃんその調子よ頑張ってぇ!!!」
エクセレント(略)パンのクリームが地面に落ちる前に、何とか食いに行こうとする甘味乃化身。
と、そんな化身に黄色い声援を送る社長。
──偶には、騒動をこうしてノンビリ見てるのも悪く無いなぁ……と、そんな事を想っていると。
「ぬッ!!?!?」
……何だ? 足が、勝手に!!?
前へ、前へ──と、進んでゆく!?
馬鹿な!?? いったい何が起こ──ッ!
「あ、ホントに動いた!」
「おい! オレにも操作させろよ!!!」
「待てよ、次はオレの番だ!」
「…………お前ら、何してんの???」
いや──ホントに何してんのアイツら!?
あと、アイツらが手に持って弄んでるオレに似た人形isなに!?? 嫌な気配がするのだが!?
「やべッ、バレた!」
「貸せって! オレがやる!!!」
「もっと速く足動かせよ!」
ワラワラと、オレに似た人形の足の部分を必要に弄ぶ魔王軍。
&、その側で展開されているバラ色空間。
&、「コレで冬に間に合う!」と目を血走らせながら、バラ色空間を仰視しているヒナちゃん先輩。
……ここまで、状況証拠が揃っていたら──そら、理解るわ。
「キメラ! 魔王軍が弄んでいるオレに似た人形を奪い取れ!!! 今すぐ!」
理解した瞬間、オレは叫びキメラに指示する!
──キメラも直ぐ状況を把握したらしく動くが、頼むから急いでくれ!
地獄が、足が動く度に地獄が近付いてくるぅうううッ!!? まだかキメラ!?
──キメラお前ッ、※プランP※が失敗に終わってからもずっと魔王軍の近くに居ただろ!??
(※プランP=パンのみキメラに食べてもらおう作戦)
はよぉッ!!!? はよぉ止めてくれ!!!
「いィィヤァーーーーーーー⤴︎⤴︎⤴︎ッ!!! お願いだから誰か止めてぇえええッッッ!!!!!」
『おぉっとぉ!!? しかし此処で如月が鬼神の如き速さを見せる! 速い、速いぞ如月!!!』
『コッチにまで必死さが伝わって来るの! しかもアレ、泣いとらんか? 声も裏返っておるしw??』
──なに笑とんねん校長! 元はと言えばテメェの所為だろうがよクソがッ!!!
あとキメラぁ!!! お前ッ何して!?
「クックック、貴様はこのGすら3秒で逝く殺虫剤に耐えられるかな?」
『──クッ! 卑劣な!!!』
両手に、殺虫剤だと!?? しかもソレが数人でキメラを包囲している!?
「ふぅあっはっはっはぁ! 貴様の主人が我々に良い様に操られるのを其処で観ているがいい!!!」
『そのようなモノで主の肉体を好きに操るなんて、そんなエロ同人みたいな事興ふッ──万死に値する!』
待てキメラッ!!? お前ッ今なんかトンデモ無い事を言わなかったか!? 言ったよな!??
──まさかキメラも敵なのでは? いや、そんな事あるワケが……って、待って!!? 地獄が!
「あ"ぁぁーーーーー⤴︎⤴︎⤴︎ッッッ止めて!!! いやもうマジ無理だから! 許してごめんなさいぃッ!!!」
「──ッ、如月さん!!? 負けませんよ!」
『ガゥゥ? グルル、ギャン???』
(訳:主? その人、様子がおかしい様な???)
いやだぁぁーーーーーッ!!!! 何故我甘味乃化身様乗犬並走成也!?
『主!! 肉体を操られても尚、心で抵抗しているとかそういうのも大ッ──ダメな害虫をお許しください!』
「ぬ! 何か君からはシンパシーを感じるね虫くん。どうだい、後で私達と一冊描かない? 人形もいる?」
『良いのか!? ッだが、主を操るなど許されない──いや、でも想像でなら……むぅぅ!』
──ぃいいやあぁぁぁあああああッッッ!!!!!
「大丈夫だと思うよ? だってホラ、キー様って今、それどころじゃないと思うし???」
「見えたッッ! ケルベロス、ジャンプ!!!」
「おい、負けるなもっと速く人形を動かせ!」
「頑張れ頑張れ! お前なら出来る!!!」
「よし、走り幅跳びみてぇに行くぜ!」
「──ごめんなさいごめんなさいごめんなさいッッッもうしないから! だから許し──あ°」
此処で、オレの意識は途切れた。
……最後の瞬間、視界は白に覆われ──オレの唇には、フワフワとした感触だけが残ったのだった。
◆◆◆医療テント内◆◆◆
「──此処は誰? オレは何処???」
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