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聖槍ブリューナク

◆◆◆〜中（ちゅう）間（かん）地（ち）点（てん）〜◆◆◆

　亜（あ）空（くう）間（かん）発（はっ）生（せい）ほにゃららの所為（せい）で少（すこ）し時間（じかん）が掛（か）かってしまったが、無事（ぶじ）に中間地点まで辿（たど）り着（つ）く。

「はいはい、じゃあ箱（はこ）の中（なか）から紙（かみ）を一枚（いちまい）引（ひ）いてね！」

　──よし、今（いま）こそ自分（じぶん）の運（うん）を試（ため）す時（とき）！　ダメだったら賄賂（かみ）握（にぎ）らせてコッソリ引（ひ）き直（なお）そっと。

「オレのターン、ドロー！！！！！」

　引（ひ）いた紙（かみ）を確認（かんにん）する。

　………………コレは──勝（か）ちましたわ！

◆◆◆

「──ジャバウォック、ゲートへ転移（テレポ）よろしく」

　瞬間（しゅんかん）、視界（しかい）が一（いっ）瞬（しゅん）だけグニャリと歪（ゆが）むがゲートへ戻（もど）って来（き）たオレとキメラ。

　そして、目的（もくてき）の人物（じんぶつ）を社（しゃ）長（ちょう）軍（ぐん）の応（おう）援（えん）席（せき）にて見（み）つけたのでそちらへＧＯ！

「千尋（ちひろ）さん、一緒（いっしょ）に来（き）て下（くだ）さい！」

　と、そう声（こえ）を掛（か）けるが。

「──は？　いやいや、私（わたし）達（たち）は敵（てき）同（どう）士（し）なのよ？　協力（きょうりょく）なんて……」

　良（い）い返事（へんじ）が貰（もら）えなさそうなので、下手（したて）に出（で）るのはここまでにしておこう。

「荷物（にもつ）として運（はこ）ばれるか、自分（じぶん）の意思（いし）で連（つ）いてくるか──どっちが良（い）いですか？」

「アンタ最近（さいきん）、私（わたし）への説得（せっとく）が雑（ざつ）になってきてない？」

　え？　そんなの……

「……気（き）のせいですよ千尋（ちひろ）さん☆　で？　どっちが良（い）いですか？　俵（にもつ）ですか？？」

「はぁ！　分（わ）かったわよ、行（い）けば良（い）いんでしょ！？　その代（か）わり、紙（かみ）に何（なん）て書（か）かれていたのか教（おし）えなさいよ！」

　…………え？

「………………『慈愛（じあい）に満（み）ちた女神（めがみ）』です」

「明（あき）らかに嘘（ダウト）でしょソレ！　その間（ま）から既（すで）に怪（あや）しさカンストじゃない！！？」

「いやいやホントですマジですってば！　如月（きさらぎ）さん嘘（うそ）つかない！」

「──ま？」

　うん。ま。意（い）味（み）合（あ）いは同（おな）じだから！

◆◆◆

　と、千尋さんをキメラの背（せ）に乗（の）せ中間地点に転移（テレポ）→ゴールへと一気（いっき）に駆（か）け抜（ぬ）ける！

　──そしてゴールテープをキメラが切（き）り、審判（しんぱん）が来（き）たのでお題（だい）の紙（かみ）を渡（わた）す。

「えーと……お題（だい）は『ホストに貢（みつ）ぐ女（おんな）』で、あー──はい、確認（かくにん）しました！　一着（いっちゃく）、魔（ま）王（おう）軍（ぐん）　如月（きさらぎ）！」

「──如月てめぇッッッ！！！！！」

　首（くび）根（ね）っこを掴（つか）まれガクガクされるが、何故（なぜ）怒鳴（どな）られなければならないのかね！？

「所詮（しょせん）は呼（よ）び方（かた）の問題（もんだい）じゃないですか千尋さん！　仕事（しごと）に従事（じゅうじ）する男（おとこ）に湯水（ゆみず）の如（ごと）く金（おぜぜ）を貢（みつ）ぐんですから相手（あいて）からしたら正（まさ）に慈愛（じあい）の女（め）がｍ──ッ」

「──貢（みつ）いでない！　アレは未来（みらい）への投資（とうし）なの！！！」

「社（しゃ）長（ちょう）、末期（まっき）なコトを言（い）うのは勝手（かって）だけど退（ど）いてくれない？　邪魔（じゃま）なんだけど」

　そう言（い）って、焼鳥（フェニックス）に運搬（はこ）ばれてきた久保（くぼ）が審判に紙（かみ）とカツラを渡（わた）す。あれ？　でも、あのカツラって。

「あー……この手（て）触（ざわ）りに、染（し）みついたお線（せん）香（こう）の香（かお）り。間（ま）違（ちが）い無（な）い、コレは校長（こうちょう）のカツラ！」

「うん。お題（だい）だったから狩（か）りて来（き）たよ」

「ｏｋです！　二（に）着（ちゃく）、魔（ま）王（おう）軍（ぐん）　久保（くぼ）！　このカツラは本人（ほんにん）に返（かえ）して来（き）て下（くだ）さいね、多分（たぶん）泣（な）いてるので……」

◆◆◆〜聖（せい）槍（そう）ブリューナク〜◆◆◆

「──えーと、お題（だい）は『三（み）つ首（くび）の犬（いぬ）』で……」

『ガルルルルッッッ！！！！！』

「こらケルベロス！　めっ！」

「ｏｋです！　三（さん）着（ちゃく）、社長（しゃちょう）軍（ぐん）　佐（さ）藤（とう）！！！　初（はつ）参（さん）加（か）なのにやりますね！　コレは思（おも）わぬ伏兵（ダークホース）か！？」

　おぉ、何（なん）てピンポイントなお題（だい）を……コレはもしかすると、もしかするかもしれないなぁ？

　あれ？　でも──

「そういえば、久遠（くおん）の奴（ヤツ）はどうしたの？　中間地点までは一（いっ）緒（しょ）だったよね？？」

「あーはい……それがその、どうもお題（だい）で躓（つまず）いてしまったみたいで……」

　オレの問（と）いに、綾（あや）ちゃんは歯（は）切（ぎ）れ悪（わる）く答（こた）える。

「あー、運（うん）が無（な）かったか」

「まぁ、諦（あきら）めも大（たい）切（せつ）だよ」

「？　そのお題って何（なん）だったの？」

　オレと久保はある程度（ていど）察（さっ）したが、Ｋ（くうきが）Ｙ（よめないコ）な千尋（ちひろ）さんは問（と）いを投（な）げる。

　──大丈夫、この情報（じょうほう）？　知（し）ったら、精神（せいしん）をチェックするのに百（ひゃく）面（めん）なサイコロを振（ふ）ったりとかはしない？？

「千尋さん、もし発（はっ）狂（きょう）したら拳（こぶし）を叩（たた）き込（こ）んでも良（い）いですか？　いいですよね、よっしゃ！」

「なんでよ！？　えッ、発狂する可（か）能（のう）性（せい）があるお題（だい）とかあるの？？？」

「あるよ。前（ぜん）回（かい）は『ニ●ル●ト●テ●』だったっけ？　ヒナちゃん先輩（パイセン）は平（へい）然（ぜん）と召（しょう）喚（かん）してたけどね」

　と、三人（さんにん）で盛（も）り上（あ）がっていたら……綾ちゃんも「それよりは…」と思（おも）ったのか、重（おも）たい口（くち）を開（あ）けた。

「えっと、龍（たつ）鬽（み）くんのお題なんですけど──その、『聖槍ブリューナク』って書（か）いてあったんですけど……」

　どうすれば良いですか？　と、続（つづ）けて綾ちゃんは訊（き）いて来（く）るのであった。

　見てくれてありがとうございます！！　宜しければ是非ともブクマなどをお願いします(゜∀゜)ノシ