狩り物競走
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勇者軍/0P
魔王軍/0P
社長軍/0P
ヨッシー&田中連合軍/0P
◆◆◆〜〜〜狩り物競走〜〜〜◆◆◆
「──それでは、第一種目『狩り物競走』の出場選手はゲート前に集合して下され!」
校長の溌剌とした声と共に、オレと久保はゲート前へと並び立つ。
……この種目は其々の軍から二人を選出する競技であり、第一種目だからな。
「1、2位を取って序盤からP総取りするぞ久保」
「ok、全力で行くよ先輩」
「おぉ──魔王軍の総大将とその右腕がまさかの同時出場とは、序盤から楽しくなって来たのぅ!」
マイク片手にテンション高く校長が叫ぶ!
……ふっ、そんなギラギラした目をしなくても理解ってますよ校長。教頭との賭けには勝たせてみせます。
儲けの三割は頂戴きますけどね!
じゅるり──おっと! どうやら選手が集まって来たみたいだ。どれどれ?
先ず勇者軍からは、あー……陸上部の奴らか。はぁ、やる気あんの???
──速さだけでどうにかなるとでも思ってんのかね、あの良い子ちゃん達は? 経験しただろうに。
まぁ、アイツらはどうでも良いや……他は。
「あ、如月さん! えっと、今回は敵同士ですけど……よろしくお願いします!」
「よろしくッス、先生!!!」
「──ッ! あ、あぁ、よろしく……」
「? どうしたの先輩?? そんな青い顔して」
ごめん、間違い無く間近で綾ちゃんの笑顔を見たからだな恐怖。胃がドズンッと、重くなる。
はっ!? まさか恐怖を狙って!!?
いや、まさか……でも。
勝手に脳がアイデアをロールさせようとして来たので敢えて、オレは目を連合軍の方へと背ける。
──ふむ。何もルールを知らなさそうな一般人だな大丈夫か発狂するなよ?
◆◆◆
「そろそろ始まりそうだな……綾ちゃん、あと久遠もモンスターを出しといた方が良いぞ」
「──へ?」
「え? それはどういう……?」
二人に忠告しつつ、オレはキメラを召喚する。
「キメラ、モフモフに擬態してくれ」
『把握しました』
鈴木のトコに強襲した時の、『翼の生えた狼』へと擬態したキメラに騎乗するオレ。
──あ〜〜〜ッやっぱコレだわ! モフモフ最高!
「先輩、めちゃくちゃ顔緩んでるよ? フェニックス、よろしくね」
おっと、いけない! 緩んだ顔を直しながら後輩が召喚した焼鳥を見る。
大の大人ほどのサイズをした火の鳥は、燃える両の足で久保の両肩をガッチリと掴んでいた。
──あー、騎乗するタイプじゃなくて運搬んでくれるタイプなのか。なかなかに斬新だな。
「つーか、燃えないのか服?」
「ふふん、防火+耐熱性のジャージだからね!」
と、自慢げに語る久保。
ああそう……でもオレだったら、別のモンスターにするかな? と、思うが黙っておこう。
それと、よしよし。綾ちゃんと久遠もモンスターを召喚し、騎乗してるな?
──そこまで確認した所で、
「選手共ぉ! 戦う準備は出来たかぁあああああああああああああッッッ!!!!!」
校長がマイクを片手に叫ぶ!
あぁ……始まるのか。
「もしまだの青二歳が居るのならサッサとしなぁ! 技術部ぅ、『結界発生装置』起動!!!」
「あいあいさーーーーーッ!!!!!」
瞬間、客席と軍の応援席を護るように光の壁が展開される。
「──よぉし! 続いて『亜空間発生装置』も起動しなぁ!!! 範囲は競技場全体だぁ!」
「いぇっさーーーーーッッッ!!!!!」
次いで、グラッと視界が一度揺れた後──競技場は膨大な広さへと変わっていた。
「ぃよーし! 結界で充分に見えねぇ奴の為にホーミングカメラも全機起動だぜヒャッハァーーー!!!」
「ヒャッハァーーーーーッッッ!!!!!」
さらに、技術部が開発した追尾型カメラが競技場へと放たれる。
「──おっと、流石に数が多いな」
(訳:監視が多くて面倒だな)
「この日の為に技術部にアホほど予算出したらしいからね、校長」
え? 初耳なんだが???
「よぉし! こっちの準備も完了したな!!! 青二歳共ぉ、準備は良いなぁ!?」
「うぃーす!」
「はーい!」
「いつでもokです!」
「はい、大丈夫です!」
校長の問いに、魔王軍と勇者軍の面々はほぼ同時に答える。
「──( ^ ^)???」
「!? ( °Д°)」
「ッ!? ッッッ!!?」
「へ? いま、何が……え???」
と、乱入した面々は両軍ともフリーズしているが……んなこたぁ関係ねぇ! と、ばかりに、
「はーーーいッ! じゃあ第一種目『狩り物競走』スタートだぜヒャッハァーーーッ!!!!!」
校長は無慈悲に競技の開始を宣言したのであった。
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