謎の会話
■■■〜とある御山の山頂〜■■■
「──なにぃッ!? 黙示録が敗北し、社長の陣営に吸収されたとな!??」
組織『聖域』のリーダー、『教皇』こと──鈴木 信二が声を上げる。
「うむ。それも、どうやらこの『神アプリ』の開発者……如月 境夜氏が力を貸したとの事でござる!」
「──ダニィ!? 拙者の同志であり、深い絆で結ばれているハズのソウルメイト……境夜たんが力を!??」
「しかもしかも、仕事終わりの打ち上げかは知らぬが……プリティなオニャのコとオシャンティスな喫茶店でパフェを叩いていたとのこと!!!」
「──ごぶぁッッッ!!!!! き、ききき境夜たんに、お、オニャのコだとぉおおお!!?!? しかもプリティな!? 最高かよ!!!」
「百合百合でござるよ!!!」
「FOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!」
教皇は雄叫びを上げると、その場で狂喜乱舞する。
………………オレは、何を見せられているのだろう??
元、黙示録メンバーであり……今は『百鬼コーポレーション/隠密部、部長』!! オレこと──上野 一!
──黙示録は事実上の解散。騎士様は社長の陣営に付くとの事で、お役に立てればと思い百鬼コーポレーションに入社する事を決めたのだが……コレはいったい?
というか、情報が遅くないか?? ソレ、もう一月ほど前の事だぞ?
「──して、同志よ……守護地の状況は如何程か?」
…………は? 守護地?? 何それ?
「それはもう万全でござるよ!! ドワーフの能力は本当に凄いでござるな!」
「うむ! たったの一ヶ月で御山全体を魔改造しまくりましたからな!!」
……あぁ、うん。それは確かにね……。
「お陰で我が家が管理を任されている神社も参拝客がマシマシでござるよデュフフ!!!」
「それはそれは……良かったでござるな教皇殿!!」
「──まったくでござるよ!! やはり境夜たんこそ神!」
どうしよ……大半何言ってんのか分からないんだけど?? コレどう報告したらいいの!?
「ちな、某の鼠鳥居も完成したでござるよ!」
ね、ネズミ?? しかも鳥居?
「おお!! アレが完成したでござるか!」
「イエス! 某が心血を注ぎし鼠鳥居、見たくはないか??」
「もち、拝見したいでござるよ!!」
「ではでは、早速参られよ!!」
…………これ、オレも行かないとダメ? なんか碌でも無いモノを見せられる様な気がするんだけど?
◆◆◆( ´_ゝ`)◆◆◆
「──あ、もしもし? 社長っスか?? 此方、隠密部の上野なんスけど……今、ちょっといいスかね?」
オレは無言でスマホを取り出すと、社長へと電話を掛ける。
『はいはい? どしたの?? 何かあった?』
「……組織を一つ見つけましたっス。場所は京都の──」
『はぁ〜、そんな所に……というか、京都? アンタ、京都まで行ってんの!!?』
「──はいっス。ちな、料金は後で請求させてもらうっスね」
『え”ッ!?? あぁ、まぁ……いいけど……? それより、どの組織を見つけたのよ?』
「──組織名は『聖域』、リーダーは『教皇』……鈴木 信二っス!」
つーか、大変今更なのだが……どうして『サソクチュアリ』なのだろうか? 普通そこは『サンクチュアリ』では無いのだろうか??
『ゲッッッ!! アイツの組織かぁ……』
「めちゃくちゃ嫌そうっスね社長?」
『アイツは危険人物なのよ……ある意味で』
「それは……何となく理解るっス……」
『ぁあ……もしかしなくても、何か見たのね? 何を見たのよ??』
「あ〜それは……見てからのお楽しみって事で……」
簡単に言えば、努力の方向を間違えてるとしか言えない。
『はぁ〜〜〜、嫌な予感しかしないけど一先ず分かったわ。お疲れ様』
「は〜い、今日はもう家帰って寝ます。社長もお疲れ様っス……」
スマホを仕舞い、オレは地獄のような光景から目を逸らし……下山した。
──後日、この光景を観る事になるであろう者達に、心からの同情と憐れみを……(`_´)ゞ
見てくれてありがとうございます! 是非ともブクマなどを宜しくお願いします_:(´ཀ`」 ∠):




