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序章 黒子の謡い
薄暗がり。
舞台横にピンスポットが当たる。
ドンッ。
太鼓を叩く音。
ひざまずいている、黒子がひとり。
ドンッ。
三叉路通りの橋の端の、不老と言わるる藤大樹。
通りがかった男がひとり、殺められたは四代目清明。
影林鬼と名乗る、もののけひとつ、藤の枝下現れる。
兄を殺され椿輝姫、復讐せんと陰陽師。
薊彦なる男出現、藤美禰、山茶花、千年狐。
生まれ変わった菊の夜の、揺れる香りは未だ変わらず。
空を見上げる藤美禰に、幸福あるかは、いざ知らず。
さぁさぁ、はじまり、はじまり~。
ド、ドン。
チョン。
チョン。
チョン、チョン、
チョン、チョン、チョン、チョン、
チョン、チョン、チョン、チョンッ。
チョン。
チョ、チョチョン。
音に合わせて定式幕が開く。
セットの橋と花道、背景の絵がつながっているように見える、三叉路橋。
右の背景に、巨大な幹の絵がある。
舞台の天井からは、いくえもの紫色の花が枝垂れていた。




