敵を味方に国を創れ
「先に言っておく、儂は戦いは出来んぞ」
「そんな事はわかってる」
「まず、仲間を集め国を創る」
「国を創る? 本気でそう言ってるのか」
「君一人で何か出来るのか?」
「色々、出来るさ」
「そうだな、国も創れる」
「あのな爺さん、出来ることもあるさ
だが、出来ない事の方が多い。違うか?」
「その為に。仲間が必要だ」
「そうだな、だが国を創る間に
ヴァンパイアも和月もこっちと同じで
より強くなっていく。何をやっても同じだ」
「そうだぞ、進むも地獄、退くも地獄じゃ
さて、どうするかの~~ ホッホッ」
「爺さん・・・・ 分かった、進むよ」
「人は選択をせねばならん」
「俺の選択はいい選択だった?」
「恐らくはそうだろう」
「で、仲間ってのは?」
「ヴァンパイアの純血貴族である
アルファルド:ハイネ=7世 だ、」
「ヴァンパイア? 人の敵だ」
「そうだ、彼は敵ではない」
「敵ではない、そうか・・・・ でも
俺には全部、同じに見えてるぞ」
「君には全てが敵か?」
「ヴァンパイアは全て狩り尽くす」
「敵という事だな、彼も」
「・・・・・・」
「なら結構、復讐の旅はここまでだ」
「待て」
「言いたいことがあるのか?」
「本当に敵じゃないんだな?」
「人は殺していなかったぞ」
「・・・・・・ 分かった」
「気が変わったか?」
「ヴァンパイアにも善人は居るって
そう。信じる事にしただけだ、悪いか?」
「いい事だよ、その考えがあれば
敵もまた、味方になってくれる」
「心まで腐ってなきゃ、いいけどな」
「心配要らんよ」
「ほんとに?」
「ああ・・・・ 心配は要らん」