幸せの道が見えたら終りが近くに
「アーサーさん。貴方は知っていたのですね?
カイト君が死んでない事も、実験の事も・・」
「ええ、最初から総てを承知の上で
私は貴方との契約にサインを書きました」
「何故でしょう? 不思議ですね。
何故、貴方は1ヶ月も知らない振りを?」
「ダンピール製造計画───
でしたよね・・・? 神室さん?」
「信仰独立平和国です。それを創りたかった
ダンピールを使い。一度、浄化してから」
「それが貴方が夢に視た世界・・・
理想は良いですよ。私には考えれない事だ」
「だが、ダンピールを使った事が・・
アンタの間違いだ。人とヴァンパイアへの
侮辱以外の何ものでもない。その理想は」
「フッ・・・・ 世界を救った──
英雄王も落ちぶれたモノですね・・・!」
「落ちぶれはするよ、僕は戦っていない」
「貴方の言い回しは独特です。
意味を教えてくれませんか、英雄王」
「意味なんて、関係ないだろ?
・・・師匠、総てに終りをする覚悟は?」
「ここに立った時から覚悟はしています
戻れませんよ? カイト君、君も・・・」
「戻れない? いつもさ、俺にはな
過去は変えられない。だから今を生きてる」
「上出来です。なら・・・ 」
「ああ、殺ってやるんだ・・」
「・・・・・今宵は満月。言った筈です」
月の引力に惹かれたか・・・
「アルバス、どういう意味だ」
ダンピールの中で眠る者が
目覚め始めたのだ、あれは危険だ
「青さん、聴こえてますね?」
「ああ、聞こえてるよ」
「3分間でしたよね? 青さん」
「そうだ、3分間の間だけ
理もルールも無い世界を創る・・・」
「3分間、使いますよ」
「3分だぞ、大丈夫か? 敵は強い筈だぞ?」
「大丈夫ですよ。10秒で終わりますよ」
「そうか・・・・」
「何したんです?」
「3分だけ理もルールも関係ない。
僕も戦う。君は世界を救ってくれるか」
「師匠は、この戦いが終わったら・・」
「この世界から姿を消すだろうね・・・」
「総てが笑う世界が来ますか?
俺が世界を救ったら・・・ 一瞬でも」
「君がそこに居れば・・・ きっとね、」
「なら、戦います・・・・」
「僕もそうやって戦った。
君は幸せになるんだ。僕以上にね」
「はい」




