ヒトラー独裁国家
「さて、もう目覚めてもいい頃ですよ
血のデータや、遺伝子の結果は出ました」
「眠れる混沌の王よ・・・・
今宵は満月。貴方には不吉な日ですね」
「では、レールポットを開けて下さい」
「・・・・・・・・・・・」
俺は───
あの日、アルヴェンを助けに城に行き
そこからが曖昧だ・・・・
何かあった筈だ、・・運ばれた?
そうだ、何処かに運ばれた筈だ
研究所、か・・・・
「おや、目覚めませんね」
「・・・・・・」
「起きてください。もう朝ですよ
貴方には目覚めてもらわなければ・・・」
「・・・ぐぁ!・・・・・息が・・・」
「大丈夫ですよ、息はできます」
「・・はぁ・・・・はぁ・・・」
「無理はしなくていい。ゆっくり・・・」
「・・・はぁ・・・・ で、アンタは?」
「覚えてませんか? カイト王、
私ですよ。貴方を殺した者ですよ」
なるほど・・・・ これが・・
一時的な記憶欠如か───
「で、アンタは何で俺を殺したと言った?」
「質問の意図がよく解らないですね」
「つまりはだ、何で俺にアンタを敵だと
思わせた? そこが気になってな・・・」
「成る程。そういう意味でしたか・・・」
「何故だ? アンタは何がしたい?」
「意味なんてありませんよ・・・
ただ、私がしたいと思ったからです」
「それだけか? 本当に?」
「ドイツの独裁者。ヒトラーはこう言った
独裁こそが本来、国の在るべき姿だと。」
「何が言いたい?」
「戦場で戦う兵士達に・・・
街でパンを買う国民達にそれを訴えた」
「それは違うな・・、彼は強制したんだ
兵士達に、国民達に、自分が正しいと・・」
「そうです。だからドイツは栄えた
貴方も独裁国家を創るべきです・・・・。」
「何のためにだ? 俺自身の為か?
国民か? 兵士か? 戦争が起きるだけだ」
「貴方は混沌の王ですよ。
世界に混沌を招き。救い出すのです」
「生憎だな、俺は世界を救うんじゃない
アンタを殺して総てに終わりを与えるんだ」
「善く言ってくれました。
カイト・ユリウス=アスガルド国王陛下」
「アンタは誰だ?」
「君がよく知っている人ですよ?
私を覚えてませんか? 知っている筈です」
「名を教えてくれ、思い出せない・・」
「善いでしょう・・。 私は──
盤上の円卓王── アーサー・アルフォード」
「師匠・・・・ なのか?」
「終わらせましょう。二人で総てを」
そろそろ、ヴァンパイアロードも
終わりそうです。今、終わり方を考え
ています。
読んでくれてありがとう。
トムネコでした。また明日




