混沌の世界に王はただ一人
「・・・・・・・・グッ・・・っ・・・」
「大丈夫ですか？ 師匠？」
「いや、少し目眩がするな。
それと・・・。このロロは老体に優しくないな」
「普通はそうですよ・・」
「だが、これで君のサポートが出来る様に
なった、改めてよろしく。カイト君」
「ええ、こちらこそ
お願いしますよ。サポートは」
「誰かのサポートをするのは慣れている
それに、君はサポートしやすいからね」
「行動が単純だって言いたいんでしょう？」
「いやいや、違うさ。
君の戦い方を見てきたからだ」
「ホントですか？」
「ああ、・・・・・・・・」
「どうしました？」
「何か感じなかったか？」
「気配ですか？」
「いや、気のせいかもしれない」
「なんだ、俺も感じます 嫌な気です」
「射出、どうでしたか？ 我々の味は
私はこの時の為に友を殺した、貴方達も」
「・・・・・・ごほっ・・・ ・・大丈夫か？」
「・・・師匠は？ どうです？」
「私は大丈夫だよ、君も大丈夫だね？」
「貴方の様に一人では出られませんがね」
「すまない、気付かなかった
手を貸そう。君は下から持ち上げてくれ」
「はい」
「なぜだ？ 何故、オーヴァが効かない」
「目的がある人間は未来を見失いやすい
ちゃんと前を見てればよかったな？」
「ですが。貴方とは思いませんでしたよ
ギルバート=ラルフさん。お久し振りです」
「隠居していた貴方が！ いまさら・・・
何をするつもりです！？ 剣聖、」
「私は剣聖ではない。そうあることを
棄てたのだ、今はだだの老いぼれだ」
「ずっと、教えられてきた・・・・
神、人、戦争、その何れもが人生の糧になった」
「なら・・・聞こう。
旧邸評議会最高責任者である君に」
「なんですか？ 私に聞きたいことは？」
「神は必要か？」
「はい」
「人は必要か？」
「はい」
「戦争はどうだ？」
「進化の為、必要です」
「よかろう。君はまだ、神に仕えなさい
私には出来なかったことだ・・・・・」
「最後にひとつだけ」
「聞かせてくれ」
「貴方が立ち上げた和月は何の為に・・・・」
「この時の為にじゃろ？」
「殺す必要はなかった筈です」
「俺の枷もやっと取れたんだ、
少し位、許せよ そう思わんか？ 姫」
「私は貴方にはまだ、枷が必要とだけ」
「私もそれには賛成だ」
「久留米・・・。お前も殺してやろうか？」
「フッフッ、出来るものならねぇ？」
「まあまあ、待て」
「決闘は後でやるといい」
「今は、君達が生まれてきた意味を
喜ぶ時ではないかな？ 和月の戦士達」
「爺さん。冗談なんだろ？」
「冗談に見えるか？ これは真実だよ
なによりも尊いね。まずは紹介しよう」
「我等、主を信じ決断する者なり
混沌の世界で王はただ一人、貴方です」
「彼等は君を守る為に生まれてきた
君の友も殺してきた。君の為にね」
「冗談もいい加減にしろ！！ ジジイィ！」
「黒髪のダンピール。貴方は──
人の王女とヴァンパイアの王の間に産まれ」
「たった一人のダンピールとなり
この混沌に唯一の王なのですよ。王よ」
「・・・・・・・」
「あんたらは何から俺を護ってる？
あんたたちがしたことは復讐の引き金を・・」
「引いただけだよ。誰を護ってる！
居るのなら言ってみろっ！！ さあ！」
「貴方ですよ。魔王から護っているのです」
「そんな事の為に俺の仲間や友は・・・」
「世界を守るためです。貴方は世界を
護ってください。貴方が消えれば・・・」
「世界の火も風ときえてしまう」
「俺はこれでいいのか？ アルファルド」
君は選択した 個より全を救うことを
別に恨んでいる訳じゃない。
ただ、険しい道なんだ・・・・
君には辛すぎるよ、ユリウス
せめて・・・ 私に変わる友を見つけて
そうすれば。少しは君にも笑顔をが
戻るかも知れないから・・・・
側に居られなくて・・・ごめんね
でもいつも僕は君の幸せを願ってる
リーアとここで・・・・
