チャンスは掴み取れ
「魔王様、」
「なんだ、私は忙しいのだぞ」
「いえ、緊急の知らせと」
「フン・・・・ どうせ、死体が出たんだろう
よくある事だ、後に回せ。いいか?」
「ですが・・・・・」
「アァ・・・・、誰が死んだぁ?」
「・・・・・カルマ様とクロ様です」
「誰だ?」
「魔王身辺警護隊。ヨハネの騎士──
カルマ・ツェパ、クロ・アルソム様です」
「・・・・・・・・」
「魔王様、・・・・・・」
「自分の身も守れんような奴が・・・
私を守る? 私を馬鹿にするのも大概にしろ」
「魔王様、命だけは・・・・!!」
「お前ではない・・・・ 評議会の連中だ」
「で、ではっ! 私はこれで・・・」
「待て・・・・ 誰が殺した?」
「は、白髪の老人と黒髪の青年だったと」
「ほう?・・・・・ あの小僧か・・・
世も、まだ棄てたものではないか・・」
「で、師匠・・・・ 何処に向かってます?」
「メセルポタス皇国───
世界最先端の技術を私の体の中に容れる」
「危険なものでは?」
「なに、少し感覚が麻痺するだけだ」
「貴方が望んでやるんですね?」
「君の為にな、」
「なら、俺はなにも言えません」
「ふっ・・・・ だろうな」
「おや、あの子は・・・・」
「リヴィア!? こんな所に!」
「あ、見つけましたよ! いてっ・・・」
「何でここに? 危ないだろう」
「アルヴェンさんに聞いて・・・」
「アルヴェン、何で一緒に付いてこない・・」
「こう見えて、私・・・結構強いですよ?」
「そういう問題じゃない、君は・・・
危なっかしいんだよ、見てられない」
「むぅ・・・・・」
「ほっほっほっ、いいのう・・・・」
「師匠・・・・ いや、じいさん。
なんなら代わってやるぞ、どうだ?」
「いやだ、見てるほうが楽しいからの」
「私も行きます!!」
「ダメだ、絶対に許さない」
「そんなの聞きません!」
「分かった。そんなに言うなら・・・
チャンスは自分で掴み取らないとな、決闘だ」




