確定された未来、人が望むもの
「で、どうして私が選ばれたのです?
候補は沢山あったでしょう。違いますか?」
「確かに、沢山あったわ・・・」
「なら、どうして?」
「ヴァンパイア戦争の引き金を引いた
男だからよ、貴方はこれで満足かしら?」
「それだけ・・・ ですか?」
「どういう意味かしら?」
「私には・・ カイト君と敵対関係にあるから
そう、聞こえるのは・・・ なぜでしょう?」
「それは上に言ってちょうだい
私はあくまでも聞いて伝えるだけ」
「図星・・・ ですね、分かりました
引き受けましょう 姫、今度は死にますよ」
「・・・好きにしなさい」
「師匠・・・」
「うむ、敵じゃな」
「やってくれるな? 戦友」
「刀を友と呼ぶか」
「これも、貴方に教わったんですよ」
「ずいぶん? 無視してくれるじゃねぇか」
「盗賊か・・・」
「俺はさ、無視されるのが嫌いなんだよ!!」
「遅いな・・・ これで挑んできたのか
身の程を知れよ、雑魚が・・ 終りか?」
「お、お前・・・ 化物かよ!?」
「確かに化物かもな、俺は・・・
ヴァンパイアを刈る者、ヴァンパイアトート」
「ヒッ・・・・」
「でも時には人も刈るんだぞ・・・・」
「脅かし過ぎじゃ、もう止めてやれ」
「次からは人をちゃんと見て、襲いな」
「逃げていったのぅ? お主のせいで」
「彼に用事があったのか?」
「まぁ、少しの・・・」
この先に何が待っているのか・・・
人は聞かれても、未来は分からない
だが、時に確定された未来がある・・・・。
それを人は・・・ 忘れてしまっている




