爆撃と風邪の日
「それで、妹は・・・・」
「助かったわよ。」
「アン姉、どんな病気だった?」
「風邪だよ、風邪・・・・」
「本当に風邪なのか?」
「風邪を舐めるな、人が死ぬ病気だ」
「で、何で風邪を引いたんだ?」
「分からない」
「出元が分からないのか?」
「そう、ただこの子ではない」
「ウィルスなら擬似的に作れますよ」
「誰だ! 誰が作ってる!?」
「香師なら誰でも・・・・」
「あ~あ、行っちゃったよ」
「ま、アン姉には敵も同然だから」
「そうだ、ユリウス。君の約束」
「叶えてくれるか? 終わらない国を」
「理想郷を一緒に作ろう」
「理想郷───アスガルド兵国」
「兵国って、何だ?」
「そうだ、アルヴェン。報酬だ」
「これは?」
「たこ焼き、美味しいよ」
「お、確かに美味い。で、兵国って」
「国民から王まで、所詮・・・・
一国の兵でしかないんだ・・・ 分かるか?」
「だから、兵国か・・・・」
「今日、この日は伝説となる・・・・。
戦士、王、友、この場に全てが揃った」
「俺が戦士か?」
「僕が、・・・・友?」
「ああ、王は俺だ」
「やっと、信じれたか? 若造」
「爺さん、いつからそこに?」
「話は全部、聞いとったよ」
「俺が国の王になる」
「責任重大じゃな?」
「俺は幸せになれるか?」
「人生は様々じゃ、」
「だから、おもしろい?」
「ああ、私も色々な事を経験した」
「幸せ・・・・ だったか?」
「あぁ、良き友ばかりだったよ」
人は、人生の終わりを感じた時───
何を思い、誰を守ろうとするのだろう
「なんだ、地震か?」
「いや、爆撃だ」
「アルヴェン、妹を頼んだよ」
「ああ、任せろ」
「アルフェルド・・・・」
「何だい?」
「アン姉って・・・・」
「まずいね・・・」
「一番、場所が分かりにくい香師屋は?」
「何でそんな事を聞くんだい?」
「意味がないと思うか?」
「そこにアンさんが居るんだね?」
「ああ、何でかいつもそうなんだ」
「分かった、行こう」




