夕暮れに燃え尽きた哀しみ
夕暮れのひととき。
花のように美しい、わたしは、張り裂けそうだ。
「もぅだめだ」
夕暮れの、燃えるような赤い中に、私の心が溶けていく。
あの頃に帰りたい。どうしてなのか、涙は忘れた。
私の涙は忘れさせられた。
今まであった過去の中に涙はおてきぼり。
返し欲しい、私の涙と哀しみ。
遠いあの日、あなたは、私を絶望させた。
夕日の中、
私はひたすらあの時間に帰りたいと祈った。
目を閉じて、瞼から感じられる、
夕暮れの燃える赤は私の記憶に潜り込み、
内側からわたしを満たした。
哀しみが内側から溢れてきた、わたしは、うまれてはじめて泣いた。
泣いて、泣いて。悲しい絶望が赤い光を解き放つ。
私の身を焦がすような赤い、哀しみ。
愛している哀しみが、あの時から、帰ってきた。
返ってきた。
よかったね、わたし。
どうしたの?
夕暮れ、赤い炎で私は燃え尽き、海岸から遠い彼方に流れていった。
よかったね、わたし。