表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

夕暮れに燃え尽きた哀しみ

作者: 滝沢雄二

夕暮れのひととき。


花のように美しい、わたしは、張り裂けそうだ。


「もぅだめだ」


夕暮れの、燃えるような赤い中に、私の心が溶けていく。


あの頃に帰りたい。どうしてなのか、涙は忘れた。


私の涙は忘れさせられた。


今まであった過去の中に涙はおてきぼり。


返し欲しい、私の涙と哀しみ。


遠いあの日、あなたは、私を絶望させた。


夕日の中、


私はひたすらあの時間に帰りたいと祈った。


目を閉じて、瞼から感じられる、


夕暮れの燃える赤は私の記憶に潜り込み、


内側からわたしを満たした。


哀しみが内側から溢れてきた、わたしは、うまれてはじめて泣いた。


泣いて、泣いて。悲しい絶望が赤い光を解き放つ。


私の身を焦がすような赤い、哀しみ。


愛している哀しみが、あの時から、帰ってきた。


返ってきた。


よかったね、わたし。


どうしたの?


夕暮れ、赤い炎で私は燃え尽き、海岸から遠い彼方に流れていった。


よかったね、わたし。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ