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手紙

手紙を読んでしまった親愛なる貴方へ

作者: 明久携寝

『貴兄』→『貴姉』

『兄弟』→『姉妹』

読みやすいように変えるといい。

 

 よく有る話だろ。

 自分達の生活を良くする為に夫は遠い所で働いてでも妻にとって一番の幸せは一緒に居ることだったとさ、って。

 僕も思ったよ「馬鹿な奴だ」と。

 誠に残念ながらどうやらその馬鹿とは僕のことだったらしい。

 君を幸せにしたいなんて欲張ったのがマズかったかな。隣に居るだけでどうしようもなく幸せだったよ。




 さて、聡明な貴兄等は既に気付いていることだろう。

 今己が何をすべきなのかを。

 そう、それだ。


 今こそ高らかに『愛』を告げる時なのだ!!


 大切な人間に!!


 大好きだ!

 あいしてる!

 感謝してる!

 今直ぐ結婚しよう!

 付き合ってください!

 と心ゆくまで好きなだけ叫べばいいのさ。

 貴兄等にはその権利が有る!!

 何なら家族やらペットやら行き着けの店のマスターにだって構わない。

 言った後のことは勿論自己責任だがね。

 あーと、一人に対して複数人ってのは認められた国で自分の甲斐性と相談してやってくれたまえ。



 今までの話の間に準備は済んだかな。

 命綱の用意、と一番高い場所まで登りきれたかい?何なら綱無しだっていいんじゃないかな。

 肝心なのは貴方が最も高い所に到達したかどうかさ。

 あと一歩が。

 最後の一歩が踏み出せないのだろう。それ位僕にだって解る。

 その背中を蹴落と……ゲフン、ガフン。

 力強く押し出すのが今の僕の役目さ。任せておけよ。

 そのまま素敵なフライトとなるか綺麗な華を咲かすのかは君次第とも言えるし運にも寄るかな。フフ。



 さて、くだらないお喋りはここまでだ。


 心の準備は出来たかい?


 ここまでお膳立てをしてやったんだ今更臆病風に吹かれたなんて無しだぜ兄弟。

 躊躇うようなら言ってやる。


『明日その告げるべき相手はいないのだ』と。




万が一、億が一。

僕の手紙を読んで胸を痛める心優しい誰がいてしまったなら。スクロール(この場合画面をずらして下の方を読めるようにする、という意味)して赤い字の一つ目を三度読み返してみて欲しい。

ほら、大丈夫だろう?

こんな間抜けが実際にいてたまるかよ。

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