ゲーム生活
「ただいまー。」
「おかえりなさい。」
家の扉を開けて声が返ってくる。それだけでなんだか今までと違って家が温かく感じるものだ。
彼女、神崎桃子はラジオをきいていた。え?ラジオ?
「待って、俺ラジオつけてったっけ?」
彼女はきょとんとした顔をした。
「いいえ?あなたはつけてないわ、私がつけたもの。」
「俺に物理的干渉ができるのはわかる。でもなんでラジオにも触れるのさ。」
「ラジオには触れてないわ。」
「触ってない?どゆこと?」
「リングって知ってる?」
「リング?ホラー映画の?」
「そう、あれテレビから貞子出てくるでしょ?」
「そうだね、あれは怖い。」
「あなたの感想はどうでもいいわ、貞子さんがテレビから出てこれるように幽霊と電化製品は相性いいのよ。実体がないから電波に合わせやすいというかなんというか..」
「ものすごいあいまいだな..」
「ごめんなさい。感覚でしてるからうまく説明できないの。」
「え?じゃあ家の家電いろいろ使えるの?」
「ええ、だから電気つけたり消したりしてポルターガイストができるのよ。」
なんだか理論もなにもないが妙に納得してしまった。そこで俺はある案を思いついた。
「そうだ桃子さん、さっそく退屈しのぎをしよう。」
俺は久々にテレビゲームを引っ張り出してきた。高校のときに友人が新型に買い替えるというので安く譲ってもらった俺の必須アイテムである。モニターにゲーム画面が出ると俺は対戦を選択する。
「このコントローラーにさっきの感じではいりこめる?」
「やってみるわ。」
「できたら〇ボタン押してみて。」
「これでいいかしら。」
画面の中で2Pが無事にキャラクターを選択した。完璧だ。
「桃子さん、操作方法教えるから、さあゲームを始めよう」
まるで、連続殺人鬼かどっかのゲーマー兄弟のセリフのようだが、彼らと違うのは
相手が死人だということだ