手紙
拝啓
今回貴方(貴女)をお呼びしましたのは、今日から十日後地球外から何らかの方法で地球外生命体がコンタクトを試みてくると確かな情報が入りました。
当初は我々も無視を決め込んでいたのですが、そうもいかなくなってしまったのです。今現在、地球の衛星軌道上に直径三kmの楕円型金属が秒速60mで円運動をしているようなのです。それが何なのかは我々の化学力では推し量ることができませんでした。とができませんでした。
一ヵ月前、我々が極秘にしていた宇宙研究所へ暗号化された文書が何処からか発信されました。その暗号化は現代数式ではほとんど解けないもの許りでした。
辛うじて
「57442分2秒後に行く」
と記されていました。我々は当初、特Aクラスのハッカーの仕業かと思い、ダブルSクラスのハッカーを雇ったのですが、詳細は全く不明、それどころか足跡も完璧に抹消されました。いや寧ろ、足跡が辿れる筈がないのです。その送受信が行われるさい世界中に数秒間、高周波数電波障害が発生しました。
それにより電波機器に何らかの影響が起き、送信先の固有波も不明な状況です。
わかっているのはその時間の宇宙空間には高周波数電波の反響が部分的に起き三分後に消滅したことだけです。
正直我々も半信半疑ですが、最悪の結果は避けなければなりません。ですので今回、私の部下を数人派遣いたしました。
無粋な真似をしてしまい申し訳ありません。後のことは、私の部下からお聞き下さい。答えられることがあるかと思います。
敬具 外務省長官