24-1 救済地点《セーブポイント》
“――――YOU ZAPPED TO …… ”
「――ここが、最後の救済地点さ」
霊廟の地下にある天井の低い空間で、赤毛の男は御影越しに黒曜を見詰めていた。
視線を向けられている黒曜は……一粒涙を流しながら呆然としている。焦点が定まっていない。寝起き直後のように、悪夢から瞬間的に目覚めた直後のように状況を掴めていない様子だ。
「救世主パーティご一行。ようこそ、僕の元へ。きっと初対面――ではなさそうだね、エルフ君。……さて、君は何度目なのかな?」
石棺から立ち上がった赤毛の男は御影ではなく黒曜に話かけていた。
「な、何が、起き??」
「救世主職なら珍しくもない現象だと思うけどね。エルフ君は『ZAP』スキルで戻ってきたんだよ」
「あれは、現実??」
「御影君が甘やかし過ぎたのかな。最近は『ZAP』を体験していなかったから忘れてしまったのかい。……君の体験は本物、実際に起きた終末さ。そうして泣いているだけなら、再び起きてしまう未来さ。さあ、何が起きたのかを詳しく――」
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“『ZAP』、このスキルを得た救世主はもう後戻りできないというか、後戻りさせられてしまうスキル。
世界を救えなくなった瞬間、強制的に時が戻る”
“実績達成条件。
人類の危機となりえる魔王を討伐してしまい、救世主職をAランクにする”
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突如、黒曜は赤毛の男、初代救世主へと殴りかかった。拳を振りぬいた渾身の一撃である。
神様の一種なので物理で滅せられるとは思えないが、初代救世主は己の石棺に後頭部をぶつけて目を回している。
「お前はッ、お前にぃいッ!! 何が分かるッ」
「ど、どうしたんだ。黒曜!? そんなに集中して殴ったら、初代さんの顎が破壊されて流動食生活になってしまう!?」
「パパ止めないで、ソイツ殺せないッ!!」




