豚顔女子 えりこの場合 その1
私は、えりこ。
今日は、第一志望の高校の入学試験の日。
その名も、私立豚顔女子高校よ。
なーんだ、それ!!
って失笑されるかもしれないけど(^^;、
私にとっては本気で志望している高校よ。
その名の通り、
豚顔の女の子しか入れないみたい。
しかも、太っててじゃなくて、
生まれつき豚顔の方が受かりやすいみたいね。
もちろん、私の容姿は豚顔よ。
お見せできないのが残念だけどね。
生まれつき、鼻が上向いてて、目も細いの。
私の両親も豚顔で、
なるべくして豚顔の私が産まれた感じ。
豚顔×豚顔の子供だから、
両親よりも、いかにもな豚顔で、
それで、今まで小学校~中学校ではよくいじめられてきた。
だから、そん時ばかりは両親を恨むこともあったわ。
何で、こんな顔に産んでくれたのよ!!って。
どちらかが、もうちょっと普通の顔の人と結婚してたら、
豚顔じゃなくて、ちょいブスぐらいで産まれてきたかもしれないのに!!
なんて意味のないことを思っていたりしたわ。
ちょいブスに産まれてたら、それは私じゃないのかもしれないのにね(´・ω・`)
そんなこんなでネガティブな中学時代を送っていた中2の冬に、
この豚顔女子高校の存在を知ったの。
その時の私も、この豚みたいな顔を何とかしたくて、
とにかく、
「豚顔 何とかしたい」
とかでググっていたわけ。
そうしたら、ある高校のサイトがヒットして、
「豚顔を何とかしたいなんて思わなくていいんですよ。気にする必要がないんです。」
とかとか文章が書いてあった。
そこに載ってた理事長の顔も、立派な豚顔であり、
私は一気に、興味を持ったわ。
夏休みには、
学校説明会で高校に行き、
授業はやっていなかったものの、
部活で汗を流す女子高生達を見て、思わず驚きの声が出た。
「うそ? うそ? うそでしょ!!」
サイトや高校の案内資料で、豚顔の女の子しか入れませんってのは分かってたけど、
それでも、半信半疑なところはあった。
それが、
サッカーで汗を流す豚顔の女子高生の集団、
テニスで汗を流す豚顔の女子高生の集団、
吹奏楽で汗を流す豚顔の女子高生の集団、
などなどなどなど・・・。
他にもいろんな活動をしている豚顔の女子高生の集団を見て、
わたしは、
「この高校に入りたい!!」
と決意したわ。
目標が定まってからは、
昔よりいじめも我慢できるようになり、
精神的に安定していた。
「私は、豚顔女子高校に入るんだ!!」
そして、今日を迎えたの。
というわけで、これから豚顔女子高校に向かうわけだけど、
何だかんだで緊張するわねぇ。
お母さんも一緒に電車に乗ってきてくれてるけど、
もし落ちたら、どうしよう(:_;)
って、ついつい考えちゃうわ。