初動準備-2
ちょっと待って。
今彼女はなんて言った。
「初期・・・・・・状態・・・・・・?」
「そうですよ。ダンジョンはご主人様達『ダンジョン・コア』固有の能力で構造を弄り、我が商会にお金を払ってモンスターを雇う。こうやって環境を整えて初めてまともなダンジョンになります」
やれやれとでも言いたげに首をオーバーに振った。
「先に言ってよ!」
こんな時、僕キレてもいいよね?
「す~っ、はぁ~っ」
一回深呼吸して落ち着こう。
ここまで呼ばれた経緯の情報しか僕たちは持っていない。
「詳しい説明ってしてくれるのかな?」
「もちろんですよ」
力の使い方、現状自分ができることの把握は最重要事項だ。
「まず、ご主人様達固有の能力で、序盤ではあまり補充不可能なエネルギーを使うご主人様達の力ですね」
「序盤では補給不可能、ね」
「そうです!せっかくそこを強調したんですから、私がこれから言うことを確認するためだけに軽い気持ちで使わないでくださいね。出世が遠のきますから」
ジト目でにらみつつ顔だけ迫ってくるので、その威圧感から逃れるために両手を挙げる。
「わかった。わかったって」
「本当ですかぁ~?前回の引継書によると念押ししたにも関わらず、無駄に使い切って『キャンセルだ!キャンセル、キャンセル!』とか『チュートリアなんだから復活するんじゃないのっ!?』って叫びながら死んだコアがいたそうなので」
「うわぁ・・・・・・」
ゲーム脳って言えばいいのかなぁ。
「脱線しましたが、説明を続けます。ご主人様達ダンジョン・コアは、DPというポイントを持っています。これはダンジョン・コアとコアから成り上がった魔王様のみが持っているステータスです」
うん。死んだ人がいてもおかしくないかも。
「これを一定量消費して、ダンジョンの構造を変えることができますが、このDPを補充するのは序盤では容易ではないので、この後説明する。モンスターの雇用と合わせてじっくりとですが、できるだけ早めに考えてください」
「どっちだよっ!?」
相反する速度の共存案を提示してきたスゥに僕は思わず声を荒げた。
「だって、もうすぐ亡くなられる魔王様の布告演説で、各地の冒険者とか軍団とかが、ダンジョン潰しに乗り出し始めているんですよ。モンスターの連携とか単純に鍛えることでの強化とか固められる前に略奪とか、他にもやることはたくさんあるんです」
ちょっと、ペース落ちてますが、これからもっと落ちます。申し訳ありません。