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青の亡霊ー真実を暴かない探偵は、正しさを後悔している―  作者: 天水 こうら
第三章 デートと真実と本音

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8/8

二通目の手紙――正しさよりも欲しかったもの

バイトもなく暇だったので二日連続更新です。

最近、もっと書き溜めて話ごとのの密度を濃くしたほうがいいのかなと思ってきた。

紙を、ゆっくりと開く。


折り目は、何度も開かれた形跡があった。


……いや、違う。


これはきっと、一度も渡されなかったまま、


ずっと閉じられていたものだ。


中の文字は、見慣れた筆跡だった。


少し丸くて、どこか弱々しい字。





——奏へ。


息を吸うのが、少し苦しい。


視線を、次の行へと落とす。


——この手紙はあなたに届いているかわからない。


——でも、もし読んでいるなら、私はきっと——


そこで、一瞬だけ目が止まる。


文章が少し滲んでいた。


……涙の跡だろうか。



——私は、あなたのことが好きだったよ。


突然の告白に鼓動が速くなる。


——だから、君には正しくあってほしかった。


……ううん。


私の“正しさ”で、生きてほしかった。




—―あの手紙を書いた後、

君を苦しめてしまうんじゃないかって思って。


だから、この手紙を書いた。


喉の奥が、ひどく重い。


——ここまで、一通目も含めていろいろ書いてきたけど。


もし、これを読んでいるなら。


——私の言葉じゃなくて自分の正しさを持って、

思うままに生きてほしいな。


「……っ」



——ねえ、奏。


——もし、もう一度だけ選べるなら。


——“正しいかどうか”じゃなくて、


——“どうしたいか”で、選んで。


視界が、少し滲む。


何が書いてあるか分からなくなるほどじゃない。


でも、確かに揺れていた。


——あなたは、優しいから。


——きっと、間違えることを怖がってしまう。


——でも、間違えてもいいんだ。


——その代わり、逃げないで。


最後の一行だけ、やけに力強かった。


——私は、あなたが選んだ答えを、否定しない。

もう一度、最後に言うね。


    好きだったよ、奏。


そこで、手紙は終わっていた。


しばらく、何も言えなかった。


ただ、紙を持ったまま、視線を落とす。


頭の中が、妙に静かだった。


「……どうでしたか?」


深冬ちゃんの声が、遠くから聞こえる。


答えようとして、言葉が出ない。


代わりに出たのは、かすれた息だった。


「……ずるいな」


ようやく絞り出した声は、自分でも驚くほど弱かった。


「こんなの……」


こんなのを読んで、何も変えないなんて、できるわけがない。


「先輩」


深冬ちゃんが、静かに呼ぶ。


顔を上げると、彼女はまっすぐこちらを見ていた。


「それでも、“暴かない”んですか?」


——正しさか。


——後悔か。


選ばなかったはずの天秤が、目の前にあった。


逃げ道は、もうどこにもない。


僕は——




ゆっくりと、息を吐く。


手の中の手紙を、そっと折りたたんだ。


「……分からない」


正直に、そう答えた。


「正しいかどうかなんて、もうどうでもいいのかもしれない」


自分でも、何を言っているのか分からない。


それでも——


「でも、逃げたままなのは……違う気がする」


深冬ちゃんは、少しだけ目を細めた。


「じゃあ、どうするんですか?」


問いかけは、優しかった。


でも、逃げは許されていない声だった。


僕は、少しだけ笑った。


「……決めるよ」


今度こそ、自分で。


「傷ついてもいい。

迷ってもいい。


……それでも、自分で決める。


守りたいものを守るために」


その言葉に、深冬ちゃんは小さく笑った。


「先輩らしいですね」



久々に格ゲーやると面白い。

格ゲーの中だとギルティギアシリーズが一番好き。

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