暴かないという選択
3日連続更新しようと思ったら書いた内容保存し忘れてできなかったです
「遅いですよ、先輩」
「ごめんね、ちょっと用事があって。この子がバスケ部の子?」
「そうです、バスケ部の東さんです。
軽い説明はしてあるので説明はしなくてもいいですよ。
それで何を聞くんですか?」
「バスケ部で最近誰か怪我をしたとか病気になったりしてないかな?」
「最近ですか...?そう言えば先輩の一人が怪我をしました、家庭の事情とかで部活をやめるかもしれないと聞きました」
「それともう一つ、顧問の先生は好き?」
「好きですよ、大会終わりには何かしらおごってくれますし生徒思いのいい先生だと思います」
「そっか、ありがとう」
なんだか事件の真相が見えてきたような気がする
「何かわかりました?」
「まだ何とも言えないかな」
「でもその言い方は何かわかってる時の物言いですよ」
「とりあえず明日クラスメイトに聞きたいことができたから、
それが終わったら深冬ちゃんのクラスに行くね」
「了解です、でも今日みたいに待つのは嫌なのでなるはやでお願いしますね」
軽く頷いて今日は解散した
もし僕の仮説が正しいならかなり時間がかかってしまうかもしれない
「遅いですよ先輩、ていうか何かスッキリした顔してないですか?」
「ごめんね、予想以上に時間がかかっちゃって。
今回の事件の全容がわかったからすごいすっきりしてね」
「私も考えたんですけど先生がかかわっているのは分かったんですけどそれ以外何にもわからないです」
「とりあえずバスケ部顧問の杉原先生を呼び出してるから行くよ」
「今からですか!?」
善は急げだ
「ここに呼び出して何の用?たしか東雲くんだったかな、去年、私の担当だったよね」
「そうです、それより先生が今話題の窃盗犯ですよね」
杉原先生の顔が曇る
「何を根拠にそんなことを?」
「僕と同級生のバスケ部の子が話してくれましたよ、事細かに」
「...バレちゃったか。バレないと思ったんだけどな
それでどうする?今回の件を通報する?」
これまで口を開かなかった深冬ちゃんが初めて言葉を発した
「...あの、話が見えてこないので説明してもらってもいいですか?」
「説明してもいいですか?先生」
「ここまで来たら一人も二人も変わらんよ」
「じゃあ今回の種明かしを始めるね、まず被害者の共通点を考えると出てくるのは全員同じ先生から呼び出されていて呼ばれている間に被害にあっているということ」
「でもそのくらいのことじゃあ偶然で片付けれませんか?」
「そうだね、次に大事なのは手際が良すぎるってことだね、僕のクラスメイトの彼が盗まれたとき15分しか目を離してないのに盗まれてるのがおかしいと思ったんだ。
もし仮に生徒単体で教室を巡って鞄を漁ってるならあまりに危ないしすぐバレてたと思ったんだ、
でも実際には盗まれた後で気がつくことがほとんどだったから噂程度にしかなってなかったからそう思ったんだ」
「なるほど、だから生徒を使って協力して盗んでたんですね
じゃあ協力した生徒は何の為に手伝ってたんですか?」
「それを説明するにはバスケ部との関係とかも必要だから重ねて説明するね。
まず今回の協力者はバスケ部なんだ」
「あれ?でもじゃあ何で東さんは何も知らないんですか?しらばっくれてたってことですか?」
「今回の協力者はバスケ部の中でも2年生の一部だったんだ。
事件の要は怪我をしたバスケ部の子なんだ、東さんの話の中でも出てきた怪我をした子を復帰させるた
めに一部のバスケ部2年と杉原先生が協力したってのが事の顛末、家庭事情までは知らないけどお金がとにかく必要だったから彼女を復帰させるために起きたのが今回の事件だったんだ。
ですよね先生?」
「まあざっくりそんな感じだ、でも一つだけお願いをしたいことがある。
今回の件をバラすなら悪いのは俺だけにしてほしい」
「安心していいですよ先生、今回の件をバラすつもりはありませんから。
一つしてほしいのは犯人が自首してきたってことにしてほしいんです
今回の僕の目的は別に犯人を暴くことじゃないので、ただ身の潔白を晴らせればそれでいいです」
もう無暗に真実を暴いたりはしない、あの時決めたんだ僕の青春が死んだ瞬間に
「具体的にどうすればいい?」
「それを考えるのは先生の仕事ですよ、僕のお願いは犯人が僕じゃないってことを証明してほしいだけなので、それと出来れば盗んだ人に時間がかかってもいいから返金してください」
「手厳しいな...でもそれをすれば明るみには出さないってことならどうにかするよ。
いつか必ず返すことを約束するよ」
「とりあえず一件落着なんですかね?」
「後は先生がうまくやってくれるはずだよ」
「それしても奏先輩、中学時代から成長しましたね、
先輩が今回の件を暴かなかったのも協力したバスケ部の子を守るためでもあるし、先生を守るために暴かなかったんですよね?」
「事件の内容なんてどうでもいいんだ、誰も傷つかないならそれで。
ミステリー小説なら伏線も動機も暴いて事件の全貌を解き明かすんだろうけど
僕の目的は身の潔白を証明することだからね」
今回の件を白日の下に晒してしまうと傷つく人がいるから解かないというのは本当だ、
ただ暴くことで必ず救われるなんてそんなの傲慢だ。
「それと先輩、ある程度落ち着いたのでデートにでも行きましょうか」
デートという言葉に動揺してしまう、それより僕には知らなければならないことがある。
「そろそろ深冬ちゃんの事を教えてくれないかな?」
「そうですね、今回の事件のご褒美として一つだけ教えます
私は”夏蓮”の妹です。」
頭が真っ白になる、”夏蓮”とは苗字も違うし彼女に妹がいるなんて知らない
僕が感じた懐かしさの正体に気づいたがそんなことはどうでもいい。
何も言葉を発せなくなって立ち尽くす僕に彼女は言う。
「日程は追って連絡しますね、それじゃあまた今度」
「待っててねお姉ちゃん、奏先輩は私が救うから」
ラブコメって定期的に見たくなりますよね、正反対な君と僕お勧めです。




