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配信初心者の私、プロ指示厨の言いなりで気づけば百合ハーレム完成!?  作者: マグローK


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第18話 到着稼ぎ場

 希少種しかいない未発見のダンジョン。

 それは探索者が探し求めているようなもの。いや、全世界が探し求めていると言ってもいいかもしれない。


 ダンジョンは未だ未知で満ち満ちている。

 すでに陳腐化した技術も星の数ほどあるけれど、それでもほとんどは地上の技術とは比較にならないほどの優れものだ。


「……情報が本当だといいな」


 淡い期待を胸に、私は2人を抱えたまま地面へと激突した。


「よっ、と」


 大きめのダンジョンには探索者が無理やり目な移動をする時に使われる離着陸場所がある。

 これがないと、おそらく地球上がクレーターまみれになるから、という配慮らしい。


「ここはでもまだないから帰りは地面を鳴らして作っていかないと」


 幸い、離陸地点はAランクダンジョンということで整備があったが、やってきた場所は報告すらされていないところなのでね。


「さてさて、ついたダンジョンは? 魔力の感じからして推定すると。最低でもB。高ければSってところかな」


 ま、Sは基本的にAより高い場合に際限なく使われてるみたいだから、あってないような基準だけども。


 私は2人を腕から下ろしつつ、肌で感じたダンジョンの実力を口にした。

 すると、下からほっぺを突き上げられた。

 重畳寺先輩だった。


「なにをすまし顔で語ってるのよ」


「え、ええ!? 状況分析は探索の基本ですよ?」


「そうだけど。それ以前に説明することがあるでしょ。何よ今のでたらめな飛行。いや、ジャンプ! あんなので飛ぶとかいうんじゃない」


「と言われましても、ここまでやってこられてますしできるとしか……」


 そりゃ羽が生えている訳じゃないからパタパタとは飛んでないよ?

 でも、空中を障害物に当たらないよう気をつけつつ到着してるんだから飛んでるようなものじゃない?

 一応、攻撃に使っている魔力を応用すれば空を走ったり、歩いたりもできるけど、長距離移動なら今回みたいな方法が早いし……。


「納得いってないって顔ね」


「はい」


「はあ。静奈、あんたも黙ってないでなんとか言ってやりなさいよ」


「ワタシ?」


「他に静奈はいないでしょ」


 どうやら援護が欲しかったらしい重畳寺先輩。

 今度は静奈ちゃんに振ると、静奈ちゃんは困ったように固まった。


「うーん……風になってた、かな」


「だよね!」


「氷の上を滑っている時よりも気持ちよかったかも」


「でしょでしょ? 練習すればきっとできるよ。ほーら重畳寺先輩。肯定派もいるんですー」


「いや、何を虜になってるのよ。おかしいでしょ」


 プンスカしているらしい重畳寺先輩は未だ不服そうにほほをふくらませている。

 何がそんなに気に食わなかったのかわからないけども、どうしても方法を変更したいように聞こえる。

 快適な空の旅を提供したつもりなんだけどな。


「じゃあ、ここまでどう来たらいいって言うんですか? 直線のバスなんて出てませんよ? それに、学生にとってお金と時間はすっごい大切なんです」


「そりゃそうだろうけど……」


 観念した、とばかりに重畳寺先輩は肩を落とした。


「いいわよ。どうせ一度見られてるんだから、わたしがテレポートする」


「え」


 不意に出た一言に私は自分の耳を疑った。


「テレポート? 今、テレポートって言いました?」


「言ったわ。変身後なら使えるのよ。仮にも魔法、少女だしね」


 どうやらどうやら、本当にSランク級みたいだ。

 なんだか私が見て体感した以上に重畳寺先輩のスキルはかなり万能なものらしい。


「よろしくお願いします! 人生初テレポートなので楽しみにしてます!」


「はいはい……逆バンジーとか人生で一度もやらなくていい」






「それじゃ入りますよ」


 帰り方を整理したところで私がダンジョンに入ろうとすると、重畳寺先輩は私の肩を掴んで止めてきた。


「なんですか」


「ここ。DMが送られてきてから色々調べてみたけど、何の情報もなかったでしょ? どうやって知ったの?」


「コメントです」


 実際はメッセージだが、コメント欄の人からだし、あながち嘘でもないだろう。


「ふーん……」


「配信ってすごいな。ワタシは準備中だからできるようになりたい」


「私も初心者だからびっくりだよ」


「玉石混交なことはたしかね。だけど、見分けられたらまずまず使える」


 私よりも重畳寺先輩は知見が深いな。

 まだまだコメントが流れるのに圧倒されてるから早く見分けられるようになりたいところだ。


「それじゃ、情報も整理できましたし配信も始め」


「待ちなさいって」


「まだ何かあるんですか?」


 この流れで静奈ちゃんにいいところを見せたかっただけに勢いを殺された感じだ。


「あんた。いつもいきなり探索を始めてるの?」


「そうですけど」


「ちょっとはどんなところか知っておきなさいって。事故るでしょ? どうしてるのよ」


「えっと……」


「探索は、事故ってなさそうね。配信は段取り以前だったからわからないと」


「そ、そこまではっきりと言わなくてもいいじゃないですか……たしかに友だちしか見てなかったけどぉ」


 やりますよ。下見。

いつも読んでくださりありがとうございます。


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