第11話 真ニート生活
あの後円香とわたあめと一緒にエレメントを倒しまくって1万ほどポイントを稼いでから夜ももう明けそうな時間になりそうだったのでここらでやめて家に帰ることにした。
「本当にいいんですか?今日の成果全部もらっちゃって」
「いいのよ、あなたのために狩りに来たのにここで半分にしちゃったらまた2、3日後に来る羽目になるじゃない」
なんと気前のいいことに円香さんは今日の狩りで手に入れたポイントを全部私にくれるそうだった。
確かにこの梅雨の時期何回もダンジョンの道を行き来するのはめんどくさいのでありがたく私はいただくことにした。
メニューを開きエレメントの破片をポイントに換算しようとアイテムボックスの一覧を開き……。
「あ……」
「ティア、あんたまさか……」
やべ、レイドPTの時の取り分まったく手を付けてなかったわ、てへぺろ★
その後の梅雨は円香とわたあめと一緒に割と穏やかに過ごすことができた。
ただ私が知っているメニューの機能と新しい世界のものは少し違うのでそこら辺のすり合わせをしたりした時円香に信じられないものを見る目で見られた時はちょっと泣きそうだった。
大体変わらないんだけど例えばドロップアイテムのポイントが少し減っていた。1階2階は変わらないけど3階以降のポイントが少なくなっていて稼ぎ辛くなっていた。
オオカミのドロップアイテムをポイントにするとき計算を間違えたと思われて円香に信じられないものを見る目(以下略)。
一番の変更点はフレンド機能にメッセージを140文字程度送れるようになったことだ。
これが前の世界にあったらもう少し楽だったのにね。
「ねえ、ティア~今度前3階であった3人組がうちに遊びに来るんだけど良かったらティアも一緒に遊ばない?」
「え?どうやって彼らと連絡とったんですか?」
信じられないものを見る目(以下略)。どうやらこの前3階で遭遇した魔王PTのカズとフレンド登録したらしい円香が家の位置をメッセージで送って今度ここに遊びに来る約束を取り付けたらしい。
あの人ら家に呼んでいいのかなあ?というか、メッセージに浮かんでいる家の位置がどうも私の家っぽいんですけど……?
「ねえ円香、このメッセージにある家の位置って隣の家じゃなくてこっちじゃないですか?」
円香はばれたかーという顔をすると素直に白状した。
「梅雨の期間ずっとこっちに居たから間違ってティアの家送っちゃった!」
円香がかわい子ぶって答える、私知ってるこういう時円香嘘つく。
私は黙って指を振る、行けわたあめ!甘えんぼ攻撃だ!
「きゃあ!あはははは!ヤダくすぐったい、てぃあ!やめさせて!ごめんなさい!ほんとはあの3人組をじぶんちによぶのがやだっただけ!」
どうやら犯人は無事自白したようだった。