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第9話 帰宅

ダンジョンの前の広場で夕焼け小焼けだったので家に帰るころにはすっかり暗くなっていた。

 幸いなことに街灯が完備されていたらしく帰り道が真っ暗ということはなかったのだけれど人通りが本当にない。

 家の中にいるのかといえばそういうこともない、道中の家はどこも真っ暗で明かりの1つもともっていない。あのダンジョンにまだほかの人たちは籠っているのだろうか、早く帰ってきて私を安心させてほしい。

 下手するとダンジョンの迷宮より怖いぞ、こんどから家に帰るときはもっと早くから帰ろう、そう心に誓った。

 迷宮よりも長い時間帰路を歩いてようやく目的地である自宅が見えてきた。

 神が用意した家は庭付きの戸建てだった。庭込みで1辺が10mくらいかな。こんなことにスペースを使うから私の通勤時間が長くなるんだ。もっと家をぎちぎちに詰め込んでください。

 周りはちょっとした塀で囲まれていて1か所だけ鉄の柵の扉があってそこから出入りできるようだった。

 はやいところ家に入りたかった私は早速入ろうと扉に手をかけたのだが、

 ギギギギギギ、扉は少しさび付いているらしくたいそうな音を鳴らしながら動いた。島の設備をもっとちゃんとしろ神よ。

 扉の向こう側には雑草などが生えている庭が見えた。すごく歩きづらそうな庭だったが幸いなことに砂利と切り出した石で家の玄関まで道が出来ていた。時間があったら庭の雑草取りをしないとせっかくの庭は洗濯物を干すのすら苦労しそうな使い心地になりそうだ。

 この惨状を目の当たりにして私は嫌な予感がして家の中に入ることにした。もし埃っぽいようなら掃除をしないといけない。早くしないと寝るのが深夜になってしまう。

 しかし私の予想を裏切り家の中はきれいだった。

 1階の部屋構成は一人暮らしの1LDKってところだろうか、そこからさらに2階に寝室と物置の代わりになりそうな部屋が2つほどある、こんなのにスペースを使うならもっと通勤時間を考えてほしかった。

 明らかに一人では使えきれなさそうな部屋数だったけどどうやら掃除は必要なさそうだった。そうと分かれば家の中の確認はほどほどにしてさっさと風呂に入ることにした。

 帰路では購入できるアイテムの一覧を眺めていてボックスの中に替えの服や下着、その他今後の暮らすうえで必須になりそうなものをあらかじめ買っておいたのだ。

 1階に降りて脱衣所に入って装備していた防具の類をすべてアイテムボックスの中にしまった。

 装備品はアイテムボックスの中に入れておけばしばらくたつと勝手に整備された状態で出てくるようだった。血でべとべとになった武器や防具も一晩立てばきれいになって出てくるし刃こぼれ程度なら直る。

 逆に折れてしまったり一部が欠損してしまったら修復されることはないらしい。いったいどこら辺から欠損扱いなのかはわからないが武器や防具は大切に扱わないと無駄な出費がかかりそうだ。

 防具などをしまった後は最初に来ていた服や下着だったのだが、今日1日迷宮での激しい攻防によって汗などもかいたためかなり汚れていた。

 脱衣所にあった謎の洗濯ボックスの中にそれらをぶち込んで晴れやかな気分で私はバスルームの中に直行した。

 

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