第2話 ニート生活
………………
「なんで泣いているの?」
私が泣きながら振り返るとそこには円香がいました。
返事もせず泣いている私を見ると円香はそのままこちらにゆっくりと寄ってきてそのままベッドに腰かけました。
「大丈夫?何か言える?」
私は円香が来たおかげで少し寂しい気持ちが収まったが、嗚咽をするばかりで返事をすることはありませんでした。
円香はそんな私をみて何も言わず頭をなでてただそこに居てくれました。
気づくと私は泣きつかれて寝てしまい、次に起きたときはお昼になっていました。窓の外は雨が降っていて世界の改変が起こったであろう昨日のことが夢ではなかったことを実感させます。
ベッドには円香の姿はありませんでした。昨日の夜のことは夢だったのだろうか。
少し緊張しながら1階に降りていくとそこにはご飯を作っている円香がいました。
「おはよう、ティア。調子はどう?」
円香は足音でこちらに気づくと振り向きはせずに私に挨拶をしました。
「おはようございます、調子はちょっと……悪いですかね」
私は言葉を濁らせます。この調子の悪さは精神的な疲れからくるものか、それとも何日もダンジョンに潜ったままだった肉体的な疲れなのかわかりません。
頭がぼーっとしていてあまり深く物事が考えられなくなってしまっている状態になっているかもしれません。
「ほら、顔洗ってきなさい、そしたら朝ごはんにするわよ。今日はベーコンエッグとパンね」
私は言われるままに身支度をして席に着きました。
円香も一緒に椅子に座って二人でいただきますと言って黙々と食事をし始めました。
食事を始めるまでお腹はすいてはいなかったけど食べ始めれば案外と食欲はあったものですんなりと食べきることができました。
「ティア」
食事が終わると円香がこちらをしっかりと見据えて話しかけてきました。
私は慌てて居住いを正しました。いったい円香は何を言うつもりなのでしょうか。
「6月前半は雨が日本と同じで振り続けるかもって話だし、しばらくお休みにしましょうか」
覚悟を決めていた私に円香は拍子抜けするほどあっけらかんに休暇の打診をしました。
しばらく心の整理をつけたかったし、これもいい機会なのかもしれない、そう思って私は休暇の話を受け入れました。
「じゃあ私しばらくこの家に住むからよろしくね、どうせ部屋余ってるんだからいいでしょ」
そう思ったら円香はこちらの家に居つくつもりだったらしく私が無言の抗議をしてもどこ吹く風で自分の家からとってきたであろう小物や椅子などを一階のリビングに早速出し始めました。
「そんな顔したって無駄よ、そんなに嫌なら貴女がなんで泣いてるのか理由くらい説明しなさいな」
無理やりな同居生活はどうやら私のことを案じてのことらしくて文句も何も言えなくなりました。ずっと無言でふてくされていた私は少し居心地が悪くなったので2階の寝室に避難することにしました。
ベッドに潜ってだらだらとしているとふとポイントについて思い出してしまいました。確か3階で環を運ぶときにポイントのほぼすべてを使い切ってしまい、残り2000ポイントかそこらしかなかったことを思い出したからです。
メニューを見て確認すると……やっぱりポイントは2030ポイントと表示されていました。これを切り詰めて使ったとしても3日は持たないかもしれません。
先ほどの会話だと確かあと2週間はダンジョンに潜らないとか言っていました、そこまで潜らなかったら私は干からびてしまうでしょう。
円香に正直にいう?さきほどあれだけ嫌な態度を取ってしまったのにどの面下げてそんなことを言いに行けばいいのでしょうか。
気づくと私はどうやって円香にばれずにダンジョンに行ってポイントを稼ぐかを考えていました。
環さんの名前を円から円香にしました。
何かこだわりがあった気がしたけど忘れたので
円って文に単体であると人名に見えずらいって理由もあります。




