第48話 固有スキルについて②
カヌスさんは『こんなものかな』と言って説明を終えた。
「じゃあ今度はこっちの番ね、まずおねーちゃんのスキルはメリーゲート、和訳したら笑う門には福来るって意味らしいわ。
けど今のところよくわかってなくて仮説1では夢で見た内容を現実で起こせる予知夢?予言夢?と仮説2の羊を召喚したことと、その羊がローブの中に入って空を飛ぶって現象を起こしたことくらいしか固有スキルについてはわかってないのよね。」
カヌスはそれを聞いてこれまた驚いた顔をしていた、いやはやスキルが意味不明でごめんなさい。
「夢で見た内容が夢で起こせるっていうのはすごいね、もしも神を倒す夢を見てしまったら神すら打ち倒せるのかな?」
「でも私この前からずっと試してはいるんですけど夢を見ても特に何も起こってないんですよね。」
カヌスさんが仮説1について言及してきたので私が補足を入れる。実際仮説1のほうは1週間も寝たのに何も起こってないためもう違うのではないかと思っている。
「じゃあ仮説2のほうが今は有力なんだね、でも複数のことができる能力かあ、羊が出てくる能力がなければメニューのスキルから1つを選択できてそれを使っているとか言えたんだけどね。」
そうそう、羊を出すのも、空を飛ぶのも意味わからないんだよね……あれ今羊だけって言った?
「空を飛ぶスキルってあるんですか?」
空を飛べるのは飛行タイプだけの特権ではなかったのだろうか?カヌスはうなずいて双子の姉に『見せてあげなよ』と告げジェニーは頷いて椅子から立ち上がった。
「2人とも知らなかったんだろうけどこれが今エターナル島で風魔法を優先して伸ばすべきだといわれている理由さ。」
カヌスさんが説明をしている。
ジェニーの髪が風の影響でふんわりと広がっていく……。いやこれは風なのか?
「レベル3風魔法、レヴィテーション!」
ジェニーはそう唱えると髪だけでなく体も空に浮かんで行った。建物の2階くらいまで飛んで行ってしまった、屋根より高い。
「空を飛べれば森での索敵もはかどるし何より上から一方的に魔法なり攻撃を打ち込めるからね。」
カヌスさんの説明はまだまだ続いたが私の耳にはあまり入ってこなかった、はえーそらとべるのすご。
しばらくジェニーは空中遊泳を楽しんでここに戻ってきた、効果時間は2、3分くらいだそうだが、風魔法のレベルを上げれば今後もっと空を飛べる時間が増える可能性があるそうだ。
「ティアちゃんの固有スキルはまだまだ育ち切ってない可能性があるんじゃないかな?」
カヌスさんがレヴィテーションの説明を終えたあと私のスキルに対して持論を述べてきた。
「スキルを使おうという気もあって条件もある程度発動したときと似せているのならスキルを使うだけのステータスやMPなどが足りないことや固有スキルのレベルが足りてないってことが考えられるね。
さっきも言ったけど仮説1でもし神を倒す夢を見ても神を倒せる現実を引き出すにはそれ相応のMPなどが必要となると思うんだよね、だからスキルは結果として発動しなかった。
また仮説2なら空を飛べたときはたまたま条件が良かったから結果飛べただけでまだ固有スキルはせいぜい高く飛べるとかその程度の効果しか出せない可能性もあるんじゃない?」
つまりどういうことかな?
「あーっと、空を飛ぶとかじゃなくてもっと簡単なことでスキルを試してみたらどうかな?例えばローブを変形させるだけとか、そんな感じで。」




