第47話 固有スキルについて
「ところでティアちゃんたちはなんで喫茶店なんかやってるのかな?いややるのはもちろん構わないんだけど正直この値段設定じゃあ毎日8時間客が埋まったとしてもダンジョンに潜ったほうがましな金額にしかならないじゃないか。」
カヌスさんが気まずくなった雰囲気を変えるために話題を変えてきた。まだ許したわけじゃないけどいいだろう、その話題乗ってやる。
「それはね、おねーちゃんの固有スキルがよくわからないからいろんな転生者たちから情報を集めようとしてやってるのよ。」
環が代わりに答えてくれる。カヌスさんはほうっと目を見開いて驚いた表情をしている、純粋に固有スキルを持っていることに驚いてくれているようだ。
「そういうことなら固有スキルについて、聞いていいかな?いや何なら情報料を払ってもいい、実は僕たちも固有スキルの情報を集めているんだ。」
「それなら情報交換のほうが嬉しいわ。私たちはおねーちゃんのスキルについて話すから、そっちは今後も新しく知った情報について教えてくれる?」
環がカヌスさんと交渉している、どうせ私のスキルなんてごみなんだから交換する価値なんてないんだけど、それでほかの情報が手に入るならいい取引なのではないか?
「それでいいのならそうしようか。じゃあ謝罪の意味も込めて今知ってる固有スキルの情報について話すね。まずは固有スキルは転生者たちが一人一個づつもっているメニューから買えないスキルのことだといわれている。今のところ僕らが集めた固有スキルはメニューから確認されていないんだ。今後階層やステータスの条件が変わればメニューから買えるようになるかもしれないし、もしかしたらもともとメニューにあるスキルが固有スキルの人もいるかもしれない。
しかしその可能性は低いかもしれないといわれているんだ。理由は隠しスキルの存在だね。転生者たちが1~3個くらいかな、持っているといわれている隠しスキルはメニューから購入することが可能でさらに通常のスキルと同じでポイントを使用してレベルが上がるんだ、しかし固有スキルにはそもそもレベルが存在してない、だから固有スキルはメニューのスキルとは別のものだと考えられているんだ。」
ここまでいいかな?とカヌスさんはこちらに聞いてきてその間にさっき環が入れたコーヒーを飲んで一息ついた。さっきの騒動でアイスコーヒーは台無しになったので今度はホットだ。
「現状固有スキルはポイントでレベルを上げることもメニューから確認するためのステータスに表示する方法もわかってはいない。ただそのスキルを持っていると強く認識した人がステータス画面に固有スキルを表示させられるようになっているのではないかといわれているね。」
自分が何の固有スキルを持っているかもわからないのにそのスキルを持っていると認識しないと表示されないなんてなんて不便なんだろうか、地球ではステータスなんてないしそんなもんだったか。
「自分が持っている固有スキルを判断するためのヒントはやっぱり自分が持っている強みやほかの人と違うおかしな点を意識する必要があるんだろうね。僕たちは地球にいたころから固有スキルを持っている、だから日常的に無意識のうちに僕らは固有スキルを使っているはずなんだ。
だから固有スキルを強い意志を持って使おうと思うことが一番大切だと思っている。なんのスキルを持っているのかもわからないのに使おうって思うのは大変かもしれないけど無意識に使っているときはきっと無我夢中でスキルを使っているだけにすぎないはずなんだ。」
カヌスさんが一通りの自論を話してくれた、つまりどういうことだ?環を見る、彼女はうなずいてくれた。後で教えてもらおう!
「つまりおねーちゃんが固有スキルがうまく使えないとしたらそれはそもそも使う意思がないかもしくは間違った使いかた、つまり弓を持っているのに短剣のスキルを使おうとしているということになるんですかね?」
環の発言を聞いてカヌスさんはうなずく、つまり私のスキルは羊を使って空を飛ぶことではないってこと?
エターナル島の滞在期間を2年から1年に変更しました。




