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第38話 演奏とルール

何の変哲もないダンジョンへ向かう道のはずがどうやら混んでいる。誰か事故でも起こしてしまったのだろうか。

 人ごみをかき分けて事件現場に到着するとそこには手製の木琴楽器で音楽を奏でている少年がいる、これはクラッシクの音楽ですね。

 どうやらダンジョンへ向かう人たちが皆足を止めて聞きほれていたため人混みが出来てしまったようだった、演奏がちょうど終わって少年がペコリと頭を下げる。

 ぱちぱちぱちと拍手が周りから聞こえてきてつられて私も拍手をする。

 目の前に小銭入れがあり中にはドロップアイテムやよくわからない物がちらほらと入っている、私も何か入れたほうがいいのかな?

 試しにエレメントの破片を入れてみた。にこりと少年が笑う、私もつられて笑ってしまった。いいことをした気分だ。

 しかし次の瞬間このほほえましい空間は破壊されてしまった。

 「こら!そこの君!ダンジョン前の広場では攻略に関したことしかやっちゃダメだって取り決めになっただろう!今すぐここから引き払ってくれ!」

 警邏隊の人が来てしまった、ここ最近いろいろとフリマや遊び場などのルールが出来たのはそもそもダンジョンの広場が狭くていざこざが起きてしまって危うくダンジョン以外で死人が出そうなくらい殺伐としてしまっていたかららしい。もちろんほとんどのダンジョンと家を行き来するだけの人たちには関係ないのだが……それでも帰り道の治安がいいことには越したことは無い。

 なので一部の人間が集まってこうして警備を持ち回りでやってくれることになっていたそうだ。

 しかもこの警邏ほぼ無償で行っているらしい、なんでそんな慈善事業みたいなことをしているのかはわからなかったので聞いてみたら将来的には東西南北に分かれた町の人たちでコミュニティを作ってもらいそこから資金を調達してちゃんと給金を払えるようにするそうだ。

 そういう体制が整わないうちからなんでやっているのかといえば、そこまでひっ迫するほどヤバイ事件が起こってしまったそうだ、怖いね。

 だからというわけではないけどそんな善意で活動している警邏の人たちに文句をいう人たちはいない、むしろ活動資金を募金している人たちもいるそうだ。

 だからルールを破って演奏をしている少年もさっさと立ち退くものだとばかり思っていたのだが……。

 「そう言って東のフリマでも西の遊び場も追い出されちゃったんだよ!どこで演奏すればいいんだよ!」

 どうやら少年にも言い分があったようだ、西も東も追い出された少年は結局中央に戻ってくるしかなったようだ。

 「東のフリマで演奏するのは……どうなんだ?となると西だろうけど、でもあそこ思いっきり運動する奴らばっかで危ないんだよな……気性が荒い奴も多いし。」

 警邏の人が少年の発言を聞いて考えてしまった、早急にたてた出来合いのルールと区分なだけあって調整不足なのだろう、毎日問題に対処している警邏隊のトップの人たちには頭が上がらない。

 「ごめん!上の人間にどうするか決めてもらうから今日の所は帰ってもらっていいかな?」

 しばらく悩んだのちどうやらここで解決する問題ではなかったらしく一度持ち帰ることにしたらしい警邏の人が少年に答えた。

 「早めに解決してね、あとできれば東のほうで演奏がしたいな……西の連中はちょっと怖くてさ。」

 少年のほうも事を荒立てる気はないらしくちょっとした要求を告げると帰り支度を始めたようだった。

 ことのあらましを見ていたやじ馬もおおよそ問題が終わったのを悟って次第に立ち去って行った。

 いけない!こんなところで油を売っている場合じゃなかったんだった。

 私は今日ダンジョンを攻略しに来たのではなく3階を攻略するための情報を集めに来ていたことを思い出し、慌ててそこから立ち去った。

 せっかく二手に分かれて情報を集めようと約束したのにこのままじゃ坊主で帰ることになる、環にお使いもまともにできないのかと笑われることを回避するため私は今度こそ情報をてに入れられそうな場所を探し求めたのだった。

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