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第29話 3層突破の報告

次の日の朝ちゃんと環は来てくれた。よかったわ。

 そしてそこから1週間私たちは迷宮に行ってはスライムを倒しまくった。

 2人で倒していけば1階のスライムは別に怖くもなんともなかった。5匹以上群れているスライムなんて見たこともないので最大で相手取るのは4匹までだったこともある。

 私たちのスライムを倒す連携パターンとしては3匹までならお互いに物理攻撃で倒す。

 もしも4匹目がいたら最初にファイアーボールを放って3匹に減らしてから残りをゆっくり物理で倒す。

 魔法はMPを使ってしまうため1日にそう何発も撃つことはできない、今現状20発くらいだろうか。

 そうなるとピンチの時に連発してもらうことや環の自衛能力を残しておきたいことを考えたらファイアーボールは4匹いるとき以外はケチったほうがいいと判断したのだ。

 もちろんMPをケチって攻撃を食らってしまいHPポーション(1つ10ポイント)を無駄に使うことになれば損になってしまう。

 仕留めそこなった時や危ない時などには環には積極的に魔法は使ってもらっていた。

 「今日はこんなものでいいでしょうか?」

 今日の成果は現状44匹、ポイントにして一人頭6600ポイントだった。

 なんだかんだ1500ポイントの1日の食費や急にほしくなった雑貨などの類(わたあめの毛づくろいセットなど)、消耗品の補充ポーションなどを割と出費の多い日々が続いてはいたがそれを抜きにしてもポイントを結構貯蓄することに成功したのだった。

 そろそろ5万ポイントにはなるであろう貯蓄を見てうっとりしている、ぐへへ。

 ここまで稼げているのに1階にとどまっている理由は環の装備を整えなおすためだった。3階での事件の時、すべての装備をなくしてしまっていた環は1からローブや杖、自衛用の短剣などを手に入れなければならず、ポイントが貯まっては少しづつ買い戻していた。

 おかげで最初の時のただのTシャツとズボンの姿から紺色のローブや片手で持てる杖や非常時のポーションを入れるためのポーチも買ってある。

 「そうね、今日はもう十分かしら。」

 手を繋いでなくてもすっかり平気になった環を見て私は感無量だ。最初のころは手を繋いだまま二人でスライムに殴りかかるというあほなことしてたっけ……。

 もう十分1階には慣れただろう、そうなれば次にすることは決まっている。

 「明日は……2階に行ってみますか?」

 環は一瞬ビクッと震えたが、異を唱えることもなくうなずいた。

「わかりました、じゃあまだ早いけれど帰っちゃいますか」

「うん。」

 私たちは明日に備えてちょっと早いけれどダンジョンを出ることにした。

 ダンジョンを出るとダンジョンの広場が少し騒がしかった。

 「俺たちはようやく3層を突破した!!!!!」

 どうやら最前線の転生者たちはとうとう3階を突破したようだった。

 にしてもやはりオオカミが多数生息する森を踏破するのはかなり厳しいらしい。3日目あたりからぽつぽつと3階まで到達していたPTはいたはずだったのに結局そこから今日までの2週間誰も突破できなかったのだから。

 「結局最前線のPTが6つくらいがレイドを組んで3日くらいかけて行軍して突破したらしいぜ……」

 「うげえ、それでもかせげるのかぁ?」

 「オオカミ一匹で1200ポイントにもなるらしいし踏破するまでに500匹は襲われたらしいけどまあ1日一人頭7千から1万2千ポイント?くらいかな?下に潜ってたほうがまだ効率はよさそうだな?」

 「まあ行きはダンジョンを踏破していかないといけないけど帰りはダンジョンの入り口まで帰れるポータルがあるからな……にしても命を懸けるには少し実入りが弱いな。」

 近くにいた転生者たちの話をこっそり盗み聞きする、フムフムなるほど……しばらくは3階とは無縁の生活をしたほうがよさそうだ。

 命を懸けてまで上の階に上る必要があるのかを確認してもらうのはトップランナーの人たちに任せてしまおう。

 「いやなんでも俺たちが持っている装備を強化するためには上の階のモンスターのドロップアイテムが必須らしい。スキルだって強敵相手じゃないとどんどんレベルアップし辛くなるだろうし、強くなるためにも3層はいかなきゃいかんだろうな」

 最後に割り込んで話してきた冒険者のおかげで3階に行かなくちゃいけないことも改めて認識した。

 ちらりと隣の環を見る。あまりいい顔をしていない。まあ私たちはすぐに強くなる必要もないかっと思って広場をあとにした。

  

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