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第15話 スライムの倒し方

さらばスライムよ。お前と切磋琢磨した日々のこと忘れないぜ。

 のんきにそんなことを考えている余裕は私にはなかった。

 盾の死角にもう一体のスライムが隠れていたらしい。残ったスライムがこちらに向かって突進しようとしていた。

 今から立ち上がっていたのではもろに食らってしまう。私はとっさに前転をしスライムの攻撃を避けた。頭が床にあたっていたい。しかしそんなものは今は無視してすぐに体を起こし、スライムがどこに行ったか周囲を見渡して確認した。

 幸いなことにスライムは突進の勢いを殺しきれずに壁にぶつかっている。

 壁に比較的近い場所にいて盾で押しつぶすより短剣で核にダメージを与えたほうがいい。

 そうとっさに判断した私は腰に装備していた短剣を取り出しスライムに向かって振りかぶった。

 が外した、スライムの核は小さいのだ短剣のようなもので当てるのはとても難しかった。そしてスライムは私が攻撃を外したすきを見逃さず手から腕へとこちらにまとわりついてきた。

 「ひい、こっちくるな!」

 昨日のトラウマがよみがえる腕を一生懸命ぶんぶん振り回して私は何とかスライムを振り払おうとしたがなかなかうまくいかない。

 そうこうしている間にスライムは二の腕のあたりまで迫ってきていてこれ以上上を振り回しても効果はありそうもない。

 私は振り払うことをあきらめて叩き落とすことにした。

 「落ちろ!落ちろ!」

 必死にスライムを殴る、ここであきらめてしまったら今度こそ窒息死してしまうからだ。しかしながら何回かポカッ、ポカッ、殴っていると

 「きゅうぅ」

 情けない音を出しながらスライムは消えた。腕からスライムの核が落ちて高い音を出して床に落ちて転がっていく。

 それを見ながら私は唖然とした。

 え、スライム弱くね?


さらに迷宮を探索しスライムを10匹近く倒してみた。最初のほうは2体いる場合危ない場面もあったが、最後のほうは危なげなく2匹なら処理できるようになった。

 結論から言うとやはりスライムは弱かった。

 一般成人男性が蹴り飛ばしただけでスライムは死ぬのだ。そりゃあ何回か殴れば死ぬだろう。

 ただしコツがいる。スライムの核にきっちりと衝撃が伝わらないといけない。私が普通に殴っただけだと核には衝撃はいかないのだが少し工夫を、例えば腕にまとわりつかせるなどするとスライムの核を守っている周りのゼリー?の部分がだいぶ薄くなる。これなら私の腕力でも十分に核に衝撃が伝わる。

 だからあの時は何回か殴ればスライムを倒すことができた。

 一応昨日のPTに全部教わっていたことなのだが、実際に自分で経験してみると頭の中にインプットできた気がする。そして今まで必要以上にスライムを恐れていたんだなと実感した。

 今日だけで3000ポイント以上稼げた。これは二日分だ。さらに言えば重い盾も今後持つ必要もなくなるかもしれない。

 そう考えると私の気分は少し高揚した。すでに明日はダンジョンに向かわずに済むだけのポイントは稼いではいるがもう少しだけ稼いでいってもいいかもしれない。

 少し調子に乗っていた私はさらにダンジョンを探索してポイント稼ぎに邁進していたがその後3匹群れているスライムを見つけて踵を返した。

 まだ3匹同時は早いと思うんだ。

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