第14話 リベンジVSスライム
木の下からこんにちは、今日もじめじめしてまーす。
頭の中の私はいつでも陽キャで笑顔でさらにユーモアセンスがいっぱいだった。
YOUTUBERみたいな感じで挨拶をしている私を頭の中で想像して私はにへらを笑った。
これを話しかけられたときにすぐに言えば「お、おもしれー女」ってことでPTに入れてもらえるかもしれない。
しかしながら私のコミュ能力は披露されることは今のところはなかった。
なぜなら2日目ということもあり広場にそんなに人影もないのだ、昨日待ち合わせをしてた人たちが各々広場でほかのメンバーを待ちながら談笑してたり、広場以外で待ち合わせしていたPTがそのままダンジョンに入ろうとしていたり、そしてそのダンジョンの入り口近くの木の下で私はPTに誘ってオーラと潤んだ目で話しかけてもらえるのを待っていた。
4人組のPTがダンジョンに入ろうとしている。そこの皆さんナイフが使えるPTメンバー募集してませんか?すっと立ち上がって私は彼らに声をかけようとした。
すると4人組のうち女の人がちらっとこっちを見て私と目が合った。捨てられた子犬のような眼をしていると察したのか木の下のほうを指さしてほかの人たちに見るように促している。とうとう私もPTデビュー到来か。
そう思ったのもつかの間、ほかのメンバーがいぶかしげな表情をすると女の人がぎょっとした表情でPTメンバーを押すようにしてダンジョンに入ってしまった。
そんな、なんでPTにいれてくれないんですか。にしてもあの女の人の表情、幽霊でも見たかのような対応だった。
すると向こうから今度は6人組のPTがダンジョンに入ろうとしている。今度は話しかけるぞ。そう意気込んだのだが、すごい速足でダンジョンに入っていった。取り付く島もないとはこのことである。
丁度立ち上がったことだしそろそろ正午を回りそうなので私はまた一人でダンジョンに向かうことにした。
早くポイントを稼いで帰らないと昨日みたいに夜道を帰る羽目になるからしょうがないのだ。ここで待っていてもPTなんか組めそうもないからではない。
ちなみに装備をメニューから取り出そうとしたとき隠匿がレベル2になっているのを見てしまった。今はこの数字が上がることだけが私がほかの人に認識はされているという唯一の証明なんだ。
ダンジョンの中は相変わらずうす暗かった。けれど一度潜ったおかげか昨日より視野が広く感じる。私はメニューを開きマップを表示した。
これでダンジョン内でも迷わないため壁に手を添える必要なんかない。
というより盾という心強い味方を両手で持たないといけないため片手を壁に添えている余裕なんてなかった。
この盾結構でかいから木製ではあるけれど重たいな……。
しかしこの盾がスライムの生き血を欲しているんだ。えっちらおっちら木の盾を持ち上げながら私ダンジョンを探索することにした。
昨日は右のほうに向かったため今日は左のマップを埋めることにしたのだが2階から帰ってきたPTと右側で遭遇したのだから右のほうを探索するべきだった。明日は右にしよう。
しばらく適当にダンジョンをさまよっていたらとうとうスライムを見つけた。
スライムはまだこちらに気づいておらずのんきにプルプルしている。
私は盾を構えてスライムにじりじりと近寄りそして十分に近づいたと判断したのち体全体の重さを利用して盾で押しつぶした。
「ぺちょ……。」
スライムが悲しい音をしてつぶれて消えた。盾の下にスライムの核のようなものがある。
とうとう私はスライムを倒せたのだった。




