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並行世界のアガスティア  作者: 羊1世
Fate of the lost oath
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第37話 秘密の誓い

 その後つつがなくダンジョンから出ることができた私達だったがダンジョンの外は中とは一転して大騒ぎだった。

「団長、よかった!ご無事だったんですね!」

 一体全体どうしたらこんな騒ぎになるのだろうか。

 私たちが状況把握できず立ち呆けていると、門から出てきたカヌスさんを目ざとく見つけた警邏隊の一人が此方に小走りで向かってきて状況を説明してくれた。

「今島中がパニックになってて、なんでも3層が大火事になったとか! こんな事初めてなんで調査しなくちゃいけないってことでとりあえず武さんが急いで人集めて今から調査に行こうってしてたんです!」

 カヌスさんの顔がみるみる渋くなっていく、リゼをちらっと見るとこっちは青ざめてた、外ではとんでもなく大事になってたらしい。

 「でもいざ突入しようとしてもダンジョンから帰還してきた人たちを神殿に運んだりとかそっちのほうに人手が割かれちゃって……、団長も見当たらないから調査を少し後回しにしてたんです」

 団員Aはカヌスさんに早口で外の状況を説明してくれた、聞けば聞くほど口の中がぱさぱさになって吐き気が……。

 

「3層の調査はさっき終えた、多分次は燃えないから安心していいよ」

 カヌスさんも絞り出すようにして団員Aに返事をする。

「さすが団長! すでに調査を終えてきてるとは! 早速武さんに報告してきますね!」

 団員Aはカヌスさんに尊敬のまなざしを向けながら元気よく返事をしてそのまま人ごみに駆けて行った。

 それを見送るも程なくカヌスさんはこっちを振り返って皆に強く念を押した。

「昨日のことは全員黙ってね、いいね?」

 私たちは全員頷くしかなかった。


 広場の騒動を鎮めるためにカヌスさん達は残ることにしたので私たちはそこで解散して後日また連絡を貰うことになった。

「今回の騒動の犯人を言うわけにはいかないけど、無罪放免というわけにはいかないと思う、君達全員には少し警邏隊の仕事を手伝ってもらうことになるかな?」

 広場の外まで送ってくれたジョニーが私たちを見てニヤニヤしながら私たちの今後を語る。

「いろんな人たちに迷惑かけちゃったからねー、かけた分だけ労働で返すと思えばやったほうも気が楽っしょ!」

 わざとやったことじゃないにしろ警邏隊の人たちや3階にいた人たちに迷惑がかかったことは事実だしまあそれもしょうがない……か。

 なんて思って頷いてしまったがそこで隙を見せたのが双子だったと気づいた時には遅かった。

「お! 了承してくれたね! ちょうどやってほしかったことがあったのさ!」

 うがー!双子がニコニコと私の両サイドにくっついて頬をつつく、なんかまじめな口調で話すから騙された! 嵌められたんだ!

 「まって、私がやったんだからティアは関係ないわよ、それは私がやるわ」

 すると双子の魔の手からリゼが救い出そうとしてくれた。

「やってほしいのは喫茶店なんだ! 制服はメイド服!」

「ティア一緒にやりましょう」

 一瞬で売り渡された、南無。


「ちなみに俺らはなんかやんのか?」

 「リオ、君の顔面じゃ接客業は無理だよ」

 ちなみに売り渡されてる間に魔王とジェニーはそんな話をしてたらしい。

 

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