表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲームつよつよ系Vtuberはレティクルの向こうに何を見るのか  作者: 畑渚


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

43/44

【初配信】うっす【ez】

<待機>

<待機>

<待機>

<全裸>

<待機>

<待機>

<なんか裸のやついなかったか?>

<待機>

<待機>


 コメント欄を眺めながら、私はふぅと息を吐く。待機画面は『筑紫みや』のシルエットで作った手抜きのもののみで、配信タイトルも「うっす」の一言だけ。そんな魅力のカケラもない配信にこれだけの人が待機しているのは、ひとえに『筑紫みや』そして『ez』のネームバリューの大きさによるものだ。


「さて、始めますか」


 私は慣れた手付きで開始ボタンを押した。


「はい、どうも」


<きたー!!!>

<はじめまして>

<うお、声かっこよ>


「はい、なんかね、思った以上に人が多くて緊張してんだけど、やってくよ」


<画面待機のままだぞ>

<配信初心者か?>

<おちつけよ>


「うおっと、申し訳ない。それじゃ」


 私は用意していた画面へと切り替え、コメント欄を少しの間眺める。


<えっ?>

<あー、そういう>

<江戸>

<ダーク◯紫>

<悪堕ちですかい>


「えーっと、コメント欄大盛り上がりだね」


 元のガワであった筑紫みやはキレイ系の落ち着いた服を着ていた。しかし今使っているガワは顔こそ残しつつも、肩や腹部が露出した、サイバーパンクみのあるVtuberらしいデザインをしている。


<筑紫ちゃん返せよ>

<ezカス>

<VeGに返せ>


 もちろんそんなコメントまで流れる。こんなコメント、拾ってしまえば炎上まっしぐらだろう。だから私はそっとコメントをクリックして……



<<ezカス>>



 画面上にコメ主のアカウントごとどうどうと表示した。


<ちょっおま>

<エグいって、無敵か?>

<これ、初配信です>


「申し訳ないんだけどさぁ、モデレーターとかを今のところ導入しないつもりだから、こういうコメントも流れると思うんだよね。あと別箱のVの名前出されても反応できないから、そういうマナーわかんないやつは半年ROMってな」


<ハイ>

<一応は企業所属だろ、いいんか?>

<ええんやろなぁ>


「ああ、その点に関しては……」


 私はVVのホームページを表示する。そして会社概要をクリックし、ある箇所にマウスカーソルをあわせる。


「これ。これが私なので大丈夫です」


<えーっと>

<オーナー本人で草>

<真名バレが初配信の女>


「ついでに多分、どうせやるやつが出てくると思うから先に釘打っとくけど」


 私は画面を表示したまま検索欄に自分の本名を打ち込む。検索をかければ出てくるのは、私が被写体の写真たちだ。


「本業はこっち。だから本人ですか?とかなんとか言って事務所に凸して来るなよ?一回説明したかんな?」


<顔バレ>

<バレというか自己開示というか>

<Vとは……いやVじゃないのか?>


「まあそこらへんの定義は難しい話になっちゃうけどさ。別に君たちはVを見に来てるわけではないんでしょう?」


<あー>

<うんまあ、俺はそう>


「じゃあVじゃなくていいかな。君たちが見てくれるんだったら」


<いまドキっとしたわ>

<父さん母さんごめん、俺は……推すよ>

<ていうかさ、ezはあのezなの?>


「『あのez』ってなに?」


<そっちは違うんか>

<誰なんだ>

<今日は自己紹介配信のみ?>


「ああ、そうだった。早速本題に行かなきゃ。今日はこのあと……いやなんでもない」


<お?用事か?>

<クンクン、これ男です>

<早速掴んだ視聴者層を手放していくのか>


「安心してよ、女の子だよ。ただちょっと……話が長引きそうだからね」


 このあと『話してくれるんだよね』と短文でDMを送ってきた相手の対応をしなきゃいけない。だから時間は限られている。


「というわけで、ゲーム、やっていくよ」


 私はゲームの起動画面を配信にのせる。



 それは、『ez』が世界1位となった、あのゲームだった。



❍✕△❑



332:名無しの裏VV民

 はい


333:名無しの裏VV民

 えーっと、初配信?お疲れ様でしたわね


334:名無しの裏VV民

 あのプレイの仕方は……


335:名無しの裏VV民

 競技時代→44kjsa20fsdsah.mp4

 筑紫時代→jfa90uasfjasfas.mp4

 さっきの→jgiasdeiapsa.mp4


336:名無しの裏VV民

 完全にこれ


337:名無しの裏VV民

 同一人物です……


338:名無しの裏VV民

 プレイ見てわかるもんなの?俺には全然わからん


339:名無しの裏VV民

 わかる


340:名無しの裏VV民

 癖?視点の動かし方とか結構個人差でる


341:名無しの裏VV民

 あとはもう、こんだけ敵位置把握してプレイするのはezしかいないよな


342:名無しの裏VV民

 これがストリーマーでオーナー?VVってどうなるんだ


343:名無しの裏VV民

 応募条件:ez以上のプレイスキル


344:名無しの裏VV民

 誰も入らん


345:名無しの裏VV民

 あ


346:名無しの裏VV民

 どしたん?


347:名無しの裏VV民

 ちょっと前にいろんなチームからちょくちょく人が抜けたタイトルが合ってだな……その人達がezのことフォローしてるわ


348:名無しの裏VV民

 どんな人たちよ


349:名無しの裏VV民

 えーっと、5人中3人が世界経験者

 1人が他2作品で海外チームにいた経験のあるレジェンド

 ラストにもう1人……


350:名無しの裏VV民

 えぇ、こいつって


351:名無しの裏VV民

 ezと一悶着あったやつだよね


352:名無しの裏VV民

 もしほんとにこのメンツでチーム組むなら激アツだぞ


353:名無しの裏VV民

 世界取りに行く気か


354:名無しの裏VV民

 そりゃez様なら当たり前よ


355:名無しの裏VV民

 でも世界でプレーするez様見たかったな……


356:名無しの裏VV民

 本業もお忙しそうですし


357:名無しの裏VV民

 海外インフルエンサー君さぁ


358:名無しの裏VV民

 国内外問わず行ったり来たりしてるみたいじゃん


359:名無しの裏VV民

 Vの顔も持つプロゲーミングチームオーナーを兼任する元Vtuberの売れっ子モデル


360:名無しの裏VV民

 ごちゃごちゃで草


361:名無しの裏VV民

 元世界王者ってのが抜けてるぞ


362:名無しの裏VV民

 カオスだ


363:名無しの裏VV民

 だからこそ気に入った


364:名無しの裏VV民

 こういうの好きだよね、tks時代から


365:名無しの裏VV民

 どっちかというとezらしさかな


366:名無しの裏VV民

 本人が満足してるならヨシ!


367:名無しの裏VV民

 燃えねえかなぁ


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ