練習カスタム初戦
お久しぶりです
今後は感想にも返信していきたいと思ってます、よろしくお願いします
「はい、こんばんは。画面と音、大丈夫ですかね?」
<こん~>
<わこつ>
<¥2940 大会練習ファイトぉ!!!>
「早速投げ銭もありがとうございます。それでは今日も始めていきますね」
今晩から、今度の大会の事前練習試合が行われる。日程に都合のつくチームが集まって行われるこのカスタムマッチは、参加者の熱量やチームのストーリー制を創り出すことから視聴者層にも人気だ。
「このあと21時からはチームが集まってのカスタム参戦となるので、それまではソロでエイムを温めておきたいと思います」
最近は配信に少し慣れてきたこともあり、射撃練習のルーティンをこなしながらも雑談を交えることができるようになってきた。
「最近は他のゲームをしている暇がないくらいこのゲームにのめり込んでしまいますね。大会で勝ちたいという思いが余計に外れること無い枷になっています」
<これ以上強くなるとかwww>
<プロにでもなるんか?>
<筑紫、お前アメリカに行かないか?>
「そういえばこのゲームの競技シーンの世界大会がアメリカで行われているようですね」
<筑紫ちゃんも大会みたりする?>
<日本人勢は……ちと壊滅か>
<ムーブは悪くないしエイムも国内最高レベルの選手ばかりなのになぁ>
「そうですね。私も大会をチェックしていますよ。なにせ、メタの最先端を知る一番の機会ですから。日本チームについては……あまり成績がふるわないようですね」
<まあ日本のFPS界隈はこれからだべ>
<悔しいけど、これが現実なのよさ>
<筑紫ちゃんからすると、日本勢は何が足りない?>
「私目線で、ですか?そうですね……」
難しい話だ。そもそも私はこのゲームのプロではないし、分析するほどしっかりと試合も見れていない。しかし敢えて言うとするならば……
「あくまで素人な私の意見ですが、ムーブが60点なんです」
<60?>
<落単はしないけど点数低いみたいな?>
<赤点ですらないのか>
「おっしゃるとおり、ムーブ自体は悪くないんです。ただあまりに無難すぎる。だから他のチームに動きを読まれますし、弱いポイントも把握されている。そして何より……」
バトロワという性質上どうしても付きまとう問題だ。
「強いチームに目をつけられやすいんです。有利ポジションというものは」
最近の大会を見て思うこと。それはノッているチームほど、不利なポジションから逆転している点だ。
<ということは今回のカジュアル大会でも>
<そもそも誰がどのポジションをやるんやろ>
<さすがに、筑紫ちゃん前衛かな?>
「キャラピックについてはチーム練習の際に発表するので期待していてください」
コメント欄で加速するキャラピック論争を見ながら、私は微笑を浮かべて誤魔化した。
❍✕△❑
[ひこうにん]VeGについて語りたい#565
66:名無しのVeG民
大会練習カスタム開始ぃ!
67:名無しのVeG民
おめぇらはVeGチーム応援するよなぁ!?
68:名無しのVeG民
あったりまえだ
69:名無しのVeG民
VeGチームって……真柴内藤チームのことか?
70:名無しのVeG民
女将つくしチームもオセロ的にはVeGチーム
71:名無しのVeG民
水城ゆずをVeGと認識するのはさすがに烏滸がましくないか?
72:名無しのVeG民
ゲーム好きの女の子。よし通れ!
73:名無しのVeG民
本来はこちらが土下座するレベルの大御所である
74:名無しのVeG民
【速報】初戦、開幕
75:名無しのVeG民
ちょっおま
76:名無しのVeG民
筑紫ちゃんピックミス?
77:名無しのVeG民
本人配信見てきたけど、このキャラであってるらしい
78:名無しのVeG民
なになに?どしたの
79:名無しのVeG民
筑紫ちゃんのキャラピックが、運営に見捨てられた男と名高いアイツ
80:名無しのVeG民
前衛はるくらいしかスキルの使い道ないけど、生存スキルゼロのあいつか
81:名無しのVeG民
まあカジュアル大会だし?
82:名無しのVeG民
大御所の接待だと思ってたけどそうでもないのか?
83:名無しのVeG民
接待だと思って来た水城、トロールピックの筑紫、FPS自体が初心者な女将、レディーファイ!
84:名無しのVeG民
コメント欄今日も元気ねぇ
85:名無しのVeG民
まーた配信枠筑紫だけかよ
86:名無しのVeG民
そろそろモデレーターが過労死しそう
87:名無しのVeG民
筑紫、兄姉をモデレーターの応援要員にする
88:名無しのVeG民
今の切り抜いたか?俺は一生巻き戻してリピートしてる
89:名無しのVeG民
筑紫、マイクミュート忘れで「兄さん」呼びを流出
90:名無しのVeG民
あっ照れてる
91:名無しのVeG民
ミッ
92:名無しのVeG民
無慈悲なFPSマシーンだと思ってたけど、感情あったんだな
93:名無しのVeG民
俺にも……こんな妹がいたらなぁ
94:名無しのVeG民
>>93 私たちがいるよ♡
95:名無しのVeG民
寒気がしたわ
96:名無しのVeG民
まだ冬は長いか
❍✕△❑
「初戦はダメダメだったな!次こそは」
水城さんがそうボヤくと、葵先輩も賛同する。
「FPSゲームに慣れてないってのがきついなぁ」
「いえいえ、お二人とも良い出だしだったと思いますよ」
初戦で負けたのは、たしかに二人の力が他チームに及ばなかったのもあるが、何より私の判断ミスがあった。いままで分析してきたデータではいないはずの場所で接敵がおきたのだ。
それもそうだ。いままでのデータというものは、プロたちや、国内の実力者たちがいる試合ばかりだったのだ。今回のチームは葵先輩のように、普段このゲームに触れていない人たちも多数出場している。その変数を計算できていなかった。
「まずは目標を立てようよ!次のマッチで達成できそうなくらいの」
「いい案やねぇ。せやったら私は今度はちゃんと武器拾えるようにするわぁ」
「私はえっとそうだな、目指せ1キル、かな!」
「ええなぁ。筑紫ちゃんは?」
「えっと、私ですか?」
こうやってチームメイトとして意見を聞かれるのは初めてで、少しドキッとしてしまう。
「私は……うーん」
次のマッチの目標を立てるのは、意外と難しい。初戦の結果が散々だったからこそ、次こそは脱最下位とは思うが、それだと志が低すぎる気もする。なにより……
「まずはこのキャラの性能を開拓するところからですね」
「あー、たしかに、難しそうだもんね」
水城さんがそう言ってくれると、ありがたい。コメント欄ではすでに、何件もの私への批判で埋まっていた。だが、それでいい。ヘイトは全部私が受けるべきだ。
「だいたいのスキル仕様は把握できたんですが、やはり……強みがちょっと」
「まあ、そのキャラを使うって聞いたときから予想してたことやから、筑紫ちゃんのペースで覚えていけばええんよ」
そうも行かないというのが私の心境だった。なにより今回の縛りについては、私自身が課したものだ。その縛りで負けたとなれば、何より私自身が私を許せない。
「とりあえず次のマッチはもっと集中します」
その日の結果は、5戦中3戦が最下位。他2戦も上位に行くことはできず、総合最下位という出だしにしては最悪の状況になってしまった。




