ヘリポート
○変面の里の全景
○変面の部屋、内
テレビとパソコンのモニターが10数台並んでいる。
棚には演劇美術芸術の本がびっしり。
デスクの上にはフィギアが一杯。大きな地球儀。
変面がソファーに座っている。
原田がストレッチャーで担ぎ込まれてくる。
変面「ここが俺の部屋だ。上はヘリポート。
演劇はいつでも見に行ける」
原田は起き上がろうとはするが起き上がれず、
横目で変面を見つめている。
○ヘリポート
双発ヘリが2機止まっている。
衛兵が立っていて高射砲が見える。
○もとの変面の部屋、内
変面がしゃべっている。
原田がストレッチャーに寝たまま聞いている。
変面「もっともっと色んなものを集めねばならぬ」
原田「一体何のために?」
変面「前に言ったじゃないか。世界一の劇団を作るためだ」
原田「しかし劇団と言うよりは・・・」
変面「そうさ、一つの軍団、帝国を作るのさ。
盗むのも芸術なら国づくりも芸術」
原田「芸術?」
変面「そうさ、盗むのは最高のスリリングな芸術だと思っている。
それも誰も盗めそうにない価値あるものをナ」
原田「でもせっかく盗んでも?」
変面「ところがちゃんと金になるのさ。世界には途方もない金持ち
がいるもんだ。しかもアホだ。高ければ高いほど食らいついてくる」
原田「そうか、それでも人の命だけは?」