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オオカミと星と人間たち

ある山に、一匹の狼がいた。綺麗な白銀のオオカミだった。



狼は今、新たな群れに入るために、穏やかな森をうろうろしていた。



あるとき、一匹の黒色の雌狼が、目の前に現れた。

雌狼は、こちらをちらりと見て、去って行った。狼は、雌狼にそっとついていった。



二匹はそれから、一緒にいるようになった。



一緒に狩りをして、遊んだりした。


そして、5匹の子供が出来た。新しい、群れが出来た。



しばらく、時が経った。



初めて、変な物だと思った。

『人間』というらしい。森を、うろうろしていた。



狼は、群れを作りたいのかな、と思った。



次の日も、人間は来た。

今度は、何匹か連れてきていた。

しばらくそこにいた後、人間は去って行った。



狼は、群れが出来たんだな、と思った。



その後、人間達は何度も来るようになった。

大きな音のする物を持ってきたり、変な匂いの物を持ってきたりした。



人間達は、木を持っていきはじめた。狼は、ただ見ていた。



あるとき、狼の子供が人間を噛んだ。手を広げて近づいてきた人間が、怖かったのだ。



すると、しばらく人間は来なくなった。

狼と群れは、なんだったんだろうな、と思った。



何日か経った。



人間が、何匹も森にやって来た。

銀に光る棒をみんな持っていた。



その後、狼の群れは、狼を除いて皆死んだ。



森は静まりかえった。

あるのは、一人の狼の声だけだった。



狼は人間に近づかなくなった。だが、人間達は近づいてきた。



森も消えていった。



ある夜、狼は星に聞いてみた。



「なぜ人間達は森を壊すのですか?」



赤い星は言った。



「人間は自分が何をやっているのか、分かっていないんだよ。」



狼は、不思議に思った。



「止めないのですか?」



赤い星は答えた。



「止めないよ。生き物の移り変わりを見るのも、一興だからね。」



しばらく時が経った。



狼は、獲物を捕れなくなった。



満月の夜。前よりも明るくなった山の上で、狼はもうあまり動かない体を木に横たわらせた。



そして、下の方に見える人間の群れを見て、消えかかった森を見渡した。

冷ややかな風が狼をそっと撫で、遠くの方でフクロウの静かな鳴き声が聞こえた。



狼は、森も生きているのかな、と思った。



そしてあごを地面に置き、目を夜空に向けた。


星は依然として、こちらを眺めていた。






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