深呼吸
よし、落ち着け私。現状を確認するんだ。深呼吸深呼吸。
吸ってー、あ、空気がおいしい。
「よくよく考えたら私、こんなに広い草原とか来たことなかったなぁ……」
とりあえず何かあるまで歩くか。
あ、忘れてた。初期装備だと思う木刀とりあえず持っていこう。背中にこう、差す感じで……無理、服が破ける。腰に差すか。
行動する前に一言。
「誰かいませんかああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」
ここまで何もないと響きさえしない……。
あと木刀は腰に差したけど、目印つけるために地面にこすりつけながら歩こう。
目指すのは太陽と反対、おそらく北へ。理由?そんなのPC版じゃ南に行くほど敵が強くなっていったからに決まってるじゃん。太陽なかったから方角は日本参照。
それじゃ行きますか。初めの一歩!っと。
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「おーい、おっちゃーん!」
「お兄さんとよべお兄さんと」
お兄さんって年か…?私こいつの本当の年齢知らないんだけど。
「年は二十から八十の間だぞ」
「人の心読むな、ジジイ」
エレクとまともに話をしようとする私がバカなのか?
「それより電屋、なんか情報無いー?情報。ひたすら歩いてもどこにもたどり着かなくてさ」
「ん?お前きちんとチュートリアル終了したのか?」
「え?チュートリアルってカカシ消えて終了じゃないの?」
「あぁ、なるほど。お前も一部のやつらと同じことしてるんだな。チュートリアルはメニューからインベントリ表示、スキルの割り振りしたらチュートリアル終了ボタンが出るんだぞ。何も試さず歩き続けただろ」
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「そんなの気づくかぼけええええええええええええええええ!!!!!!!!!」
「チュートリアルの人に教えてもらっただろ…」
「なん!にも!聞いてないんですけど!そんなこと!」
ミレーヌめ、絶対言い忘れてただろ…。
「あー、なんだ。お前も金髪美少女の子にチュートリアル担当されたとかか?」
「……もしかしてさっきの一部のやつらって」
「そのもしかしてだと思うぞ。マドレーヌだったかシェルレーヌだったかそんな名前の子に担当されたやつらが大体チュートリアル抜け出せてないな。まぁ代わりにスキルが多く入手しやすかったって声もあるからどうともいえんが」
「私は早く敵をぶち殺す感覚を味わいたいんだよぉ」
「おぉ、戦闘狂の発言怖い怖い。こんなのが優等生なんて世も末だな」
「自由登校サボらず行ってるから優等生でしょ。私のクラスでOLO発表時から休んでるやつもいるくらいだし」
「……お前一体どうやってランキングに乗ったんだ……?」
「ふふふ……秘密」
「・・・ミレーヌは、チュートリアルの・・・マニュアル・・・読んだよ、ね?」
ポンコツ「・・・はい」
「・・・一回、死ぬ?」
ポンコツ「いやです!」
「・・・はぁ。・・・とりあえずあっちに、伝えとく・・・から・・・そのあと・・・ね?」
ポンコツ「そのあとに何が待っているかは知りたくないです・・・が、いってらっしゃいませ、先輩」